トランプ大統領が敵視する『革新』実業家ベゾスが実践するアライアンス戦略(後編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2018年12月14日付の記事を紹介する。
こうした流れは世界最大の消費者を抱える中国でも既に起こり始めている。世界のビジネストレンドから周回遅れの日本でも早晩、新たな旋風が巻き起こるに違いない。アライアンスのパートナーになりうる革新企業であることが新たな国際競争時代におけるサバイバル条件となる。そして、ベゾス氏の快進撃は止まるところを知らないようだ。
彼が新たに立ち上げたのは子供の頃からの夢を実現するベンチャーである。それは「宇宙旅行」。それまで一回の使い切りだった宇宙船を再利用できるようにした。「ブルー・オリジン」という名の会社は「誰でも手軽に宇宙旅行を楽しめる」というのがモットーだ。この分野ではバージン・グループのリチャード・ブロンソン会長とアライアンスを組んでいる。
2017年、瞬間的にビル・ゲイツ氏を抜いて世界一の資産家の地位を占めたベゾス氏。2018年にはゲイツ氏に大きな差をつけ、世界一の座を不動のものにしつつある。それだけ大金持ちでありながら、移動の飛行機は常にエコノミークラスに拘る。「無駄口をたたくな。時間を大切に。後悔するなら失敗を選べ」が口癖だ。
彼の日常生活は実に規則正しい。必ず八時間の睡眠をとり、朝はゆっくりと新聞に目を通す。モーニング・コーヒーを楽しみ、朝食は子供たちと一緒だ。4人の子供たちが妻の車で学校に出かけるのを見送り、仕事を始めるのが日課。愛車はホンダのアコードだ。しかも、大事な決断は午前中に下す。そのため、重要なミーティングは必ず午前10時からと決めている。「自分の頭の回転が最も良いのは昼食前の時間帯ということが経験上はっきりしている」と語る。仕事は夕方5時で終えるのがモットーである。
これだけ大成功を収めているにもかかわらず、ベゾスはアマゾンの将来を楽観していない。曰く「いつかはアマゾンも倒産し、市場から消える日が来るだろう。アメリカそして世界の大企業の寿命は平均すれば35年。100年企業はまれだ。かつて世界最大の小売業の王者だったシアーズは2018年10月に破産宣告。アマゾンとの勝負に負けた結果に他ならない。アマゾンも消費者の視点を忘れれば、同じ運命をたどるだろう。そんな時がくることがないように常に顧客の求めるサービスを追求するのが使命だ」。
実は、アマゾンはトランプ大統領から目の敵にされている。というのも、トランプ氏はビジネスの天才だと自己主張を繰り返しているが、もともとは父親から事業と資産を引き継いだことから成功のきっかけを得ていたに過ぎない。一方のベゾス氏はすべて自分の力で現在の地位を獲得しており、しかも、現時点でベゾス氏の資産は1,120億ドル。対するトランプ氏は4億ドル。世界の長者番付でいえば、ベゾス氏がトップの座を占めているのに対し、トランプ氏は766番目に甘んじている。人一倍負けん気のトランプ氏とすれば面白くないだろう。
※続きは12月14日のメルマガ版「トランプ大統領が敵視する“革新”実業家ベゾスが実践するアライアンス戦略(後編)」で。
著者:浜田和幸
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