2024年11月30日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~737MAXを中国最終仕上げセンターから初納入 ボーイング・中国舟山工場が完成(前)

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 米航空機大手ボーイングが浙江省舟山市で設立した「ボーイング舟山737完成・引き渡しセンター」で15日、最初の完成機が中国国際航空公司(エアチャイナ)に引き渡された。今回納入されたのは、737MAXファミリーの標準型である737MAX8。米ワシントン州レントンエ場で最終組立後、舟山工場で最終仕上げが行われた。COMAC(中国商用飛機)との合弁事業で、40万m2の敷地に建設された同センターは、浙江省と舟山市の協力を得て、ボーイングの同様の施設では初めてアメリカ国外に建設された。

 アビエーションウイーク誌は2015年9月にボーイングが中国に工場を建設すると報じた。同年9月23日には訪米中の習近平主席がシアトルに立ち寄り、中国国有航空機メーカーCOMACとボーイングの合弁企業を作り、中国国内で737型機を作ると公表した。ボーイングは、新型の737MAXを含め全ての737をレントンエ場で生産している。完成すると飛行時間で5分ほどのボーイング・フィールドにフェリーし、「完成試験&引渡しセンター」で塗装、最終検査を行って顧客に引き渡している。ボーイング舟山センターエ場の総面積は6万2,000m2で、長距離型の737MAⅩ7から座席数の多い737MAⅩ10まで、737MAXファミリー全機種に対応するよう設計。737の全新造機うち、3分の1が中国の航空会社へ引き渡される中、同センターを開設することで、中国の航空会社が機材を更新したり増やす際に、ボーイング機を採用してもらう狙いがある。ライバルのエアバスは、天津にA320ファミリーの最終組立工場を2008年に開設している。

 中国の航空会社へ引き渡される737MAXは、最終組立工場があるシアトルから舟山へ飛行し、最終仕上げセンターで内装作業を実施。業務内容は今後拡大を計画しており、塗装ハンガー(格納庫)を3棟増設して、塗装工程も担うようになる。仕上げを終えた737MAXは、隣接する引き渡しセンターに移動され、受入検査や納入手続きが行われる。

 舟山市が担当した建設工事は現在、基本的に完成しており、同センターは建設着工からわずか19カ月で1号機の引き渡しを実現した。

 ボーインク・チャイナのジョン・プランズ社長は専用機で舟山空港に入り、引き渡す式を主催した。記者団に対し、舟山の施設について「こうした規模での展開は、当社の歴史の中で本当にわくわくする瞬間だ。この市場に対する当社のコミツトメントをまさに示している」と語った。

(つづく)


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(後)

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