【流通ジャーナリスト西川立一のトレンドウォッチ】青果と加工食品の専門店の平均月商1,200万円~Una Casita(おなかすいた)が首都圏で拡大中
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「Una Casita(おなかすいた)」というちょっと変わった店名の青果と加工食品の専門店が、首都圏で人気を集めている。3年前に1号店を東京・下北沢にオープン、店名の「Una Casita」はスペイン語で「小さな家」を意味するウーナカスタからお腹空いたに強引に結び付けたもの。現在、イオンモールやセブン&アイの「アリオ」などに出店、首都圏に12店舗、中部に4店舗、合計16店舗を展開している。
青果は仲卸と連携して市場から商品を調達することで低価格で販売、一方、グロサリーは味噌、ドレッシング、出汁、梅干、米菓などカテゴリー別に特色のあるこだわりアイテムを展開している。
「おなかすいた」のビジネスモデルは、購買頻度の高い青果で来店頻度を高め、低価格を打ち出して集客し、グロサリーのこだわりアイテムの購入につなげようというもの。
MongTeng(モンテン)が運営しており、平均月商は1,200万円程度、なかには2,000万円以上売り上げる店舗もある。
什器はオリジナルの木製什器、従来のスーパーの売場とは一線を画し、オシャレで洗練されたイメージ、トマトやニンジンなどを吊り下げる陳列方法もユニーク、接地面がないため商品が痛まないなど実質的なメリットもある。
「おなかすいた」では商品の特徴や効能をPOPでアピールしており、たとえばえのきは「便秘予防の効果や内臓脂肪を減少させる効果があり、脂肪の吸収を防ぐダイエットに効果的」などとしている。
加工食品もオリジナルの3尺の木製什器を採用し、味噌、醤油、ドレッシング、乾麺などカテゴリー別に陳列、売り込む商品はテーブルに陳列し、「朝食」「優しいスナック」などテーマ別の棚もある。「平凡のソース」や、「カレーめん」「玉ねぎ粉」といったよそではほとんど見かけない商品もあり、商品の特色などをPOPで説明し売り込みをかけている。
商いには志が必要だ。「おなかすいた」はこう訴える。「近年の大量生産、効率化により外食も中食もお手頃な価格となり、さらに食の欧米化によって伝統的な和食は、忙しい現代人にとって、忘れられる存在になりつつあります。 しかし、ここで振り返らなければいけないのは、はたして食は効率化すべきものなのかということだ。高脂質、高油脂食品のたらす身体への影響について今一度考えるべき時なのではないでしょうか?」
手間を省いて簡便、便利をひたすら追い求める現代の食に対するアンチテーゼを「おなかすいた」は提示しようとしている。「おなかすいた」に足を運んで日本の食をいま一度考えて見ることをお勧めする。
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