2024年11月05日( 火 )

芝浦グループ多角化戦略のいま 繁栄の鍵は「人財」発掘にあり(後)

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芝浦グループホールディングス(株) 代表取締役社長 新地 洋和 氏

各事業の取り組み

 ―19年の事業展望について。アグリ事業では多数雇用されているようですが?

 新地 ニューガイアアグリ(株)では現在6カ所、全15haでキウイフルーツの栽培を行っています。正社員だけで15名、現地雇用のパートさんを入れると常時約20~30名体制です。いよいよ今秋には初の収穫が始まります。

ニューガイア キウイファーム6 南関 豊永(熊本)

 私たちが取り組んでいるキウイフルーツ栽培事業はもともと、世界的なキウイフルーツの生産・販売会社であるゼスプリ社が、私たちのメガソーラー事業での土地の取得実績に着目し声をかけてきたのが始まりです。ゼスプリ社が本社を構える南半球のニュージーランドでは4月ごろ、つまり日本での春にキウイフルーツが収穫され、日本国内へ出荷されます。北半球の日本で栽培されるキウイフルーツは11月ごろ、秋から冬にかけて収穫され市場に出ます。ゼスプリ社は年間を通してキウイフルーツが提供できるよう、ニュージーランドと収穫時期が異なる日本などでの契約栽培先を探していたのです。メガソーラー事業で培った広大な用地取得を得意とする私たちと、日本での栽培地を探していたゼスプリ社との提携は理想的なものだと思います。私たちが秋に収穫したキウイフルーツを納品することで、年間を通してゼスプリ社のキウイフルーツを供給することができるのです。

 ―メガソーラー事業の今後の展開は?

 新地 19年は山口地区3カ所で発電所の新設工事が控えています。そして21年完成予定で過去最大規模33MW、総事業費約126億円、45カ所目となる山口地区厚狭発電所が最後となるでしょう。

 ―メガスーパーカーモーターショーはどのような位置付けでしょうか?

メガスーパーカーモーターショーの様子

 新地 17年の北九州、18年の熊本に続き、19年7月19日~22日の4日間、福岡市の「マリンメッセ福岡」での開催が決定しています。北九州では3日間で4万6,000人、熊本は4日間で4万2,000人ご来場いただきました。アジアの玄関口である福岡市はこれまでの2都市と決定的に商圏が違いますので、4日間で10万人の動員を目標にしています。“子どもたちに夢を”というテーマのもと開催するメガスーパーカーモーターショーは多くの方々に注目してもらうことを目的としています。

 芝浦グループHD(株)は18年に東京支社を開設し関東での活動を本格化させていますが、九州最大の都市・福岡での10万人動員の実績をつくり、いずれ東京ビッグサイトや幕張メッセなどでメガスーパーカーモーターショーを開催し、芝浦グループの東京での認知度を高めていきたいですね。

本年の展望

 ―19年はグループ全体としてどのような年になるとお考えですか?

 新地 今年は新元号に変わり新たな時代のスタートとなります。芝浦グループもまずは原点に戻り、設立当初の事業である建設業、不動産開発など得意分野を基盤とし、しっかり固めたいと思います。そのうえで、新たな「挑戦」にも取り組みます。人材確保が容易ではない市場環境において、我々芝浦グループの多角化戦略には人材の育成が喫緊の課題といえます。

 「立場が人を育てる」といいますが、立場や役職といった環境は人を変えます。その環境が厳しすぎて芽も出ずにダメになるのは、当然その人自身の問題であると同時に親、会社の問題でもあります。つまり、その人がどのくらいの力量があって、どのくらい耐える力があるか。そのうえで、ここであれば芽が出るだろうというギリギリのところに据えないと人は育ちません。そういう意味でまずはグループ会社の社長たちに経験を生かして新たなビジネスを展開してもらう、たとえばM&Aなども芝浦グループの方針の1つとなるのかもしれません。このことにともなって人材配置も大きく変わり、グループの様相も大きく変わってくるでしょう。いずれにせよ19年は今後の芝浦グループの方向性を決める重要な年となることは間違いありません。

(了)

【文・構成:児玉 崇】

<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長兼CEO:新地 哲己
代表取締役社長:新地 洋和
所在地:北九州市小倉南区上石田4-17-22
福岡本部:福岡市中央区天神3-10-30
東京支社:東京都港区芝1-15-14
設 立:2010年8月
資本金:4億5,400万円
売上高:(18/7)約203億円(グループ合計)

<プロフィール>
新地 洋和(しんち・ひろかず)

1979年、北九州市生まれ。苅田工業高校電気科卒業後、旧ジャパンメンテナンス九州勤務を経て、2002年に芝浦グループ 芝浦建設(株)の前身・芝浦特機(株)に入社。以後、同グループの(株)ニューガイアおよびニューガイアエナジー(株)の代表取締役を務め、17年8月1日芝浦グループホールティングス(株)の代表取締役社長に就任する。

(前)

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