大牟田新栄町再開発 芝浦G撤退の真相
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2月中旬、地元の複数紙で大きく報じられた「大牟田再開発・芝浦グループ撤退」の文字。
「駅前ににぎわいを取り戻す」――地方都市の活性化に寄せられる期待が大きい分、その反動も然りだった。しかし、報道を知った当事者である芝浦グループ関係者は驚きを隠せない。関係者によると、事業主体である準備組合の言い分が一方的に報道されたかたちであり、撤退せざるを得ない重大な理由はほかに複数あることがわかった。
関係者への取材で、地権者に起因する事業の大幅な遅れ、立替金の支払い、共用部分の施工者未定に事業費の膨大など、報じられていない事実が複数判明している。芝浦グループ関係者は「撤退は事実だが、報じられた理由や経緯は見解の一部を切り取ったもので、非常に遺憾」と話す。
大牟田市で計画されているのは、正式名称「新栄町駅前地区市街地再開発事業」で総事業費は約118億円(2015年度の計画)、施行区域約2haにホテルや駐車場、マンションや高齢者住宅などを建設するもの。
市の発表によると、2009年末から準備会が設立され、市が基本計画などを策定。2014年には事業協力者がなく、延期を余儀なくされていたが、区域南側の井筒屋跡地を芝浦建設(株)が取得したこともあり、2016年建設代行者に西鉄グループと芝浦グループが選ばれていた。
そのようななか、今年2月20日、同事業の準備組合が建設代行者だった芝浦グループとの基本協定の解除を発表した。解除理由は芝浦グループから事業計画への同意書が期限までに提出されなかったため。一部報道で芝浦グループが同意書を提出できない理由として「ホテルの採算性が取れない」ことを挙げているが、芝浦側は「これは撤退理由のほんの一部にしか過ぎない」という。
次項から、総事業費100億円を超える大規模再開発で、事業代行者が着工直前で撤退するまでに至った背景を追っていく。
【東城 洋平】
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