【西部ガスグループ】「&and」マークによる価値づくりとホテル新事業が新社屋で始動(前)
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西部ガスリビング(株)
代表取締役社長 工藤 青史 氏
常務取締役 毛利 誠 氏住設機器販売、リフォーム・リノベーション、マンション管理など多くの事業を展開する西部ガスリビング(株)。2016年4月に就任した同社代表取締役社長・工藤青史氏は、グループ会社が集合するパピヨン24から移転を決行、18年12月25日に新社屋でスタートを切った。今回は工藤社長と同社常務取締役・毛利誠氏に移転理由とともに、ホテル事業参入への思いや今後の展望を聞いた。
新社屋への移転による社員の意識改革
―グループ会社が集合するパピヨン24から移転されました。まずはその理由から教えてください。
工藤青史社長(以下、工藤) いくつか理由はあったのですが、一番は自立しようという考えがあったからです。弊社は「西部ガス」という言葉が入っているように西部ガスのグループ会社です。グループ会社としてだけでなく「西部ガスリビング」、とくに「&and」マークをもつ企業として活動していくこと、これを社員の意識改革として進めていきたかった。その1つとして自社ビルをもつという結論に至りました。社長の内示をいただいた時に、自社ビルをもちたいという考えはありました。2017年12月ごろにこの建物が売りに出るという話があり、購入契約をしたのは18年3月です。新社屋は5階建てで全館リニューアルを施しました。
―リニューアルはどのような手順で進められましたか。
工藤 4月から社員を巻き込んだプロジェクトを立ち上げました。プレゼンテーション、デザインの決定、解体工事を同時進行で進め、6月に着工して11月末に完成しました。自社で新社屋をデザインしようと考えたのも、自分たちがつくった会社ということで、社員全員で会社を運営していくことを社員に浸透させるためです。自社を教育の場として活用し、社屋全体をショールームにしようという狙いもありましたね。
そのため、私からは(1)いろいろな部材を建築に取り入れてほしい、(2)コミュニケーションの取りやすい職場環境にしてほしい、(3)流行を追うのではなく“先を行く”事務所にしてほしいという3つの要望を伝えました。15名を6チームに分けて、それぞれエントランス、1階から5階を担当ごとに分けてデザインから考えてもらいました。社員は指名ではなく公募です。
各チームには1カ月の準備期間を設けて、会社全体で1日かけてプレゼン大会を行いました。その時は「ああ、これはとても面白いものになる」と確信し、ほぼ100%提案通りのことを実行しました。社員が1カ月という限られた時間のなかで、よくここまで考えてくれたと感心しましたし、本当に感謝しています。今回の移転に関する打ち合わせを3月から引っ越しまでの期間で42回重ねてきました。
―たしかにエントランス、各階にそれぞれの個性が出ていて、面白いつくりになっていますね。社屋全体がショールームというのが良くわかります。
工藤 自社とはいえ、社員全員が協力して1つのものをつくり上げたことは貴重な体験だと考えています。パピヨン24のビルにいた当時は、空調機器のメンテナンス部隊は東浜に部署を設けていましたが、今回の移転で福岡地区のすべての部署を1カ所に集めることができました。会社全体をショールームとして活用することができたことは大きな財産だと考えています。弊社にきていただいたお客さまに、我々のリフォームやリノベーション能力、これを実際に見てもらうことができるのは大きなメリットです。
毛利誠常務取締役(以下、毛利) 今回の移転では、社員のアイデアをできるだけ取り入れました。そのうちの1つがゴミ箱についてです。今までと違い、社員1人ひとりがゴミ箱をもつのではなく、各フロア1カ所にゴミを捨てる場を設けることで社員同士のコミュニケーションを取れるようにしています。整理整頓もできるようになりました。以前は、同じカタログを複数の社員がいくつももっていることがあったのですが、あえて収納を減らすことで社内環境への意識も高まっています。
(つづく)
【文・構成:麓 由哉】<COMPANY INFORMATION>
代 表:工藤 青史
所在地:福岡市東区箱崎ふ頭3-1-35
設 立:1984年4月
資本金:4億8,000万円
売上高:(18/3)108億8,778万円関連キーワード
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