上場企業が集中する福岡市の魅力を検証する(2)
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【表1】を見ていただきたい。
〜この表から見えるもの〜
東京証券取引所に上場している19年3月末の企業数は、前年比11社増加して3,632社。内訳を見ると、第一部は前年比12社増加して2,140社。第二部は前年比1社増加して494社となっている。
新興市場のマザーズは前年比8社増加して283社。ジャスダックのスタンダードは前年比▲10社の678社で、グロースは前年と変わらず37社のままとなっている。
15年3月末の一部上場企業は1,934社だったが、19年3月末は+206社の2,140社と、大幅に増加している。一方実績のある中堅企業市場の第二部は第一部への昇格などもあり、▲49社と大きく減少している。
・新興市場でも一部・二部と同様に明暗がはっきりしている。マザーズは19年3月末比+63社と増加しているが、ジャスダックは▲76社(スタンダード▲69社、グロースは▲7社)と大きく減少している。その大きな理由としては【表2】の上場形式基準からわかるように、マザーズからは時価総額40億円で1部に昇格できるのに対して、ジャスダックからは新規上場と同様に、250億円からとハードルが高いからだといわれる。
上場予備軍の企業は多い。企業経営者は新興市場をスタートしたのちは、東証一部への上場が目標となる。そのため、現在問題となっているのは一部上場企業が多くなり過ぎていることだという。今年3月末の一部上場企業2,140社に対し、東証二部・東証マザーズ・東証ジャスダックに上場している企業の合計は1,492社と大きな差がある。
・海外市場を見ても、米ナスダックの「グローバル・セレクト」が1,400社強。ロンドンの「プレミアム」は500社であり、東証一部上場企業の多さが目立つ。
<まとめ>
一部上場企業の数を減らす案も出ているが、上場から外される企業の反対も予想され難しいという。そのため、一部の上にさらに上位の「特別市場」を設けるべきだとの意見が出ている。最近の時価総額を基に計算すると、東証一部企業は、(1)500億円以上とすれば約1,000社。(2)1,000億円以上にすれば約640社程度になると試算されている。
東証は、「市場構造のあり方等に関する懇談会」(座長・神田秀樹学習院大院教授)の答申を受けて、上場基準の全面改定を行うことになりそうだ。
(つづく)
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