中国経済新聞に学ぶ~高齢者が2.5億人「90後」も貯金を始める(後)
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調査では、政府からの補助金を考慮に入れたとしても、ほとんどの老人ホームが赤字経営の状態であることが分かっている。老人ホームのうち、投資金を1~3年で回収できるケースはわずか4.5%で、4~6年が4.9%、10年以上が62%となっている。経営状態を見ると、黒字経営となっている老人ホームはわずか4%で、ほぼ差し引きゼロが32.8%、やや赤字が32.6%、大赤字が30.7%となっている。政府からの補助金を受けている北京市の老人ホームは、事業機関型が78%、民営非企業型が88%、企業型が52%となっている。
現在、中国の若者の間で、「老後をいかに過ごすか」というのは、常に話題になっている。中国青年新聞社社会調査センターは、18歳から35歳の若者1,876人を対象に、アンケート調査を実施した。
回答した若者の89.3%は、老後問題について関心を抱いており、この割合は、2018年同期(87.9%)比1.4ポイント上昇した。そのうち、27.5%は、「非常に関心を抱いている」と答えた。
また回答した若者の78.8%が、「自分自身の老後を心配する」と答え、86.1%は「親の老後を心配する」と答えた。
クロス分析によると、「自分自身の老後を心配する」と答えた人の割合が最も高かったのは「90後(1990年代生まれ)」で80.6%、「80後(1980年代生まれ)」が80.0%でこれに続いた。「親の老後を心配する」人の割合が最も高かったのは「85後(1985~89年生まれ)」87.0%で、「90後」86.8%がこれに続いた。
老後をめぐる具体的な心配に関する質問には、「老人の面倒を見る時間や人手が足りない」と心配する若者が73.6%で最も多く、昨年の65.3%から大幅に増加した。
「『空の巣老人(子どもが巣立った後に残された高齢者)』に緊急の事態が生じた時、すぐに対応できない」とした若者は59.6%で、「経済面で高齢者を介護する経済的負担を今後支えられるか心配」と答えた人は52.6%にそれぞれ達した。資産運用プラットフォームの騰訊(テンセント)理財通が発表した報告によると、2000年代に生まれた00後の人々はすでに老後資金を蓄え始めているという。
報告によると、また80後と90後は老後への関心が非常に高く、同プラットフォームで年金基金を購入したユーザーのうち、80後、70後、90後が数は最多で規模も最も大きい。さらに18歳になったばかりの00年代も老後資金を貯め始めている。80後と90後は一般的に老後への危機意識が他の年代よりも高く、年金基金を最も積極的に申し込み、購入している。
今年の全人代の李総理政府活動報告では、一連の高齢者関連対策・措置が打ち出された。このうち、若者が最も期待を抱いているのは、具体的にどのような政策なのだろうか?調査において、「企業職工基本養老保険基金の中央調整の割合を引き続き高めることに期待」と答えた若者は58.1%に達し、「養老保険の省級統一運営改革のスピーディな推進に期待」とした人は57.0%、「一部国有資本を社会保険基金に充当することを期待」は46.4%だった。
(了)
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