人生100年時代の健診施設　KRD Nihombashi（後）

2019年6月6日 07:00

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いつでもスマートフォンで健康管理

　KRD Nihombashiでは、健診前に受ける問診や健診の結果、食事や運動のアドバイスなどのメッセージをインターネットからアクセスできるクラウドに保管しており、1人ひとりがパソコンやスマートフォンからいつでも自分のデータを見ることができる。健診を受けた後も健康に関心をもち続けるためには、自分で検査結果や医師からのメッセージなどを確認できる仕組みが必要と考えたためだ。

　一般的には、健診を受ける病院と病気の時に訪れる病院は、別の病院であることが多い。検査結果などの健康情報を病院間で共有することで、元気な時の健診結果から今の体の状態を正確に把握できるようになる。また、医学的な正常値や異常値はもちろん大切だが、体には個人差があるため元気な時の検査結果と今の検査結果を比べることで、その人が元気でいられる基準がわかるため、検査結果からより多くの情報を読み取ることができる。

無理なく健康でいられる生き方を見つける

　病気にならないためには今の生活を変えることが必要と感じていても、置かれている立場や環境から、今の生活を変えにくいことも多い。また、生活習慣病の症状を悪化させないためには食事制限が必要とわかっていても、多くのことを我慢する食生活は長く続かない。毎日の生活でできる範囲で、うまく健康と付き合っていく方法を見つけて、その方法を自分らしく続けられることが、長い目でみると健康を保つために一番効果がある。

　毎日が忙しく生活を変えにくい時でも、体の負担を少なくするヒントはある。そのため、KRD Nihombashiではライフスタイルに合わせた対応方法をアドバイスしている。たとえば忙しくて睡眠時間が3～4時間の日が続いても、休日に寝だめするのではなく、休日の朝の起きる時間を少し遅くするほうが体に負担がかからない。

　また、毎日の夕食が深夜になる生活では、食事の時間は変えられなくても、食べ方やメニューを工夫することで効率良く食べることができる。個人のライフスタイルでできる方法を一緒に考えて対面でアドバイスしているため、今の生活を変えることなく、健康に良い生活習慣を取り入れることができるという。

　健康を取り戻すためには、生活や食事をするうえでの禁止事項をつくるのではなく、自分ができる範囲で続けられる方法を見つけて行動に移すことが大切と考えている。今のライフスタイルを大切にしながら、無理なくベストコンディションを維持できる生き方と出会うこと。自分らしく体に良い生活を実現できることが、健康でいるために大切なことではないだろうか。

（了）
（取材・文・構成：石井　ゆかり）