「財政難の北九州市浮揚には、IRしかない」~井上秀作・北九州市議会自民党議員団副団長(2)
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井上秀作・北九州市議会議員・北九州市議会自由民主党議員団副団長
<プロフィール>
井上 秀作(いのうえ・しゅうさく)
駒沢大学法学部政治学科を卒業後、国際航業(株)に入社。95年、井上勝二北九州市議会議長秘書を経て、2002年2月、北九州市議初当選、以後5期連続当選をはたし、17年2月に北九州市議会議長に就任(19年3月退任)。1969年4月生まれの50才。北九州市小倉北区出身。佐世保市IRには「送客」を期待できない
――九州のIR誘致は、長崎県(佐世保市)が先行していますが、内心忸怩たるものがあったのでは?
井上 ありましたね。そこで私は昨年、北九州中小企業経営者協会へ講師として出向き、IRに関する講演をしたんです。「北九州市浮揚のためにはIRしかない」ということで、多くの賛同を得たんです。中小企業は、ちょっと風が吹いたら、倒れてしまいますが、今、北九州市には良い風が吹いているわけではありません。現状に危機感を抱いている彼らにとって、IRは非常に魅力的なプロジェクトに映ったのだと思います。そういうところからIR推進協議会が設立されたわけです。
――九州地方知事会は長崎県へのIR誘致の支援を採択したようですが。
井上 それはそうです。ただ、九州の地方6団体のうち、長崎県を支援すると決めたのは、九州地方知事会と九州県議会議長会だけなんです。しかも、北九州市が手をあげることを制限するものではないとの意見付きのものです。また大分市議会などが北九州市への誘致支援に回ったことから、九州市議会議長会でも同じ議題が上がる予定でしたが取り下げられました。IR設置については、国から6つの条件が提示されていますが、そのなかに「送客」という条件があるんです。これは、IRを設置した自治体だけが儲かるのはダメで、他県も儲かるようにするということです。大分市にしてみれば、北九州市にIRができれば、大分への送客が期待できるからです。
――知事会、県議会議長会以外は、長崎県へのIR誘致に賛同しているわけではない?
井上 ええ。長崎県佐世保市は長崎空港から遠いし、新幹線も通っていません。これでは九州他県への送客はほぼムリでしょう。九州代表として佐世保市が手を挙げても、おそらく国は選んでくれません。でも、北九州市だったら選んでくれるかもしれない。北九州市の周りには、福岡市、熊本市、広島市など大都市があり、新幹線を使えば、すべて1時間以内で移動できますので。
私は、国が最初に選ぶ3カ所のIRを「観光立国IR」、最初のIR開業7年後に選ぶ8カ所は「地方創生型IR」と呼んでいます。観光立国IRは交通インフラが発達している先進都市、地方創生型IRは交通インフラが不十分な地方都市ということです。観光立国IRは、首都、政令市以外でやるべきではない。長崎県佐世保市は地方創生型IRでやれば良い、というのが私の考えです。IRを設置するには、IRに必要な資材、人材の80%を地元で調達しなければなりませんが、それができるのは人や企業が集まる首都や政令市です。
(つづく)
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