「財政難の北九州市浮揚には、IRしかない」~井上秀作・北九州市議会自民党議員団副団長(4)
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井上秀作・北九州市議会議員・北九州市議会自由民主党議員団副団長
6月議会はIR関連質問で攻勢かける
――今後、北橋市長にどう働きかけていくお考えですか。
井上 私は、北九州市がIR誘致を表明するタイムリミットは、9月議会だと思っています。6月議会はその前哨戦です。7日には、自由民主党の中島慎一団長が北九州空港へのアクセス鉄道について質問する予定です。
北橋市長には、北九州空港へのアクセス軌道に対する思い入れがあります。自動車でしかアクセスできないというのは、空港を活性化するうえで非常にツライ部分があります。大分県や宮崎県には、東九州新幹線を整備したいという思いがあります。小倉駅から北九州空港に至る新幹線ができれば、大分、宮崎まで延伸するきっかけにできるかもしれません。北九州空港に新幹線を通すには960億円かかります。年間旅客数200万人が目標と言っていますが、とてもペイできません。最低でも500万人は必要です。
そのためには、IRという仕掛けが必要になります。北橋市長は「IRの勉強をしていきたい」とおっしゃっているわけですが、中島団長は市長にまずIR事業者に会って情報収集をすべきであると意見されます。
10日は、私が財政状況に関する質疑を通じて、IRに対する北橋市長の見解を質します。
北九州市の借金はこの10年間全然減っていません。臨時財政対策債を入れると1兆円を超えます。これまでにいろいろな施策を講じてきたけれど、結果的にまったく減っていない。どうやって返すのですか。市の貯金は2018年度に255億円ありましたが、4年後には114億円まで減る見通しになっています。どうやって貯金を増やしていくんですか。市の財政状況を抜本的に改善するためには、もはやIRしかないんじゃないですか。IRが設置できたら、財源の涵養につながりますか、どうですか、財政局長、お答えください。
そういう質問をします。そのうえで、北橋市長に対し「財源の涵養につながるIR誘致について、もう少し前向きに検討を進めていただきたい。いかがですか」と聞きます。
3つ目が、まちの活性化とIRについての質問です。市内には10の大学などの学生がいますが、地元に就職するのはわずか2割です。中小企業は人手不足で困っています。なぜ学生は北九州市に残らないのか。まちに魅力がないからです。若者は、いろいろなレジャーが楽しめるきらびやかなまちに憧れるものです。IRはカジノのイメージが強いですが、面積の97%はエンターテイメント施設です。IRを誘致すれば、多くの若者、子どもが集まる新しいまちをつくることが可能です。民間投資で、日本最大のエンターテイメント施設を北九州市につくりましょう。市の総合体育館はすでに老朽化していますが、これもIR施設なんです。ドーム型の野球場だってつくれます。そういう話をします。
――北橋市長を説得できそうですか。
井上 北橋市長は、もちろん市の財政状況はご存知です。IR誘致が実現すれば、税収は確実に増えることもご理解していただいています。私たちの試算では毎年200億〜300億円必ず入ってくるわです。宿泊税とは桁違いの税収になるわけです。固定資産税や法人税なども入ってきます。私たちが命がけで実現しなければならないプロジェクトだと考えています。いずれ北橋市長も必ず賛同していただけるものと信じています。
(つづく)
【大石 恭正】<プロフィール>
井上 秀作(いのうえ・しゅうさく)
駒沢大学法学部政治学科を卒業後、国際航業(株)に入社。95年、井上勝二北九州市議会議長秘書を経て、2002年2月、北九州市議初当選、以後5期連続当選をはたし、17年2月に北九州市議会議長に就任(19年3月退任)。1969年4月生まれの50才。北九州市小倉北区出身。関連キーワード
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