2024年11月21日( 木 )

新・激戦スポットを往く(2)~福岡市東区アイランドシティ 西鉄ストア8月出店、オーバーストア否めず

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 福岡市東区千早では守る側だった西鉄ストアは、同区アイランドシティでは「攻める側」に回る。

 親会社の西日本鉄道が建設を進めている、マンションや託児所、介護施設、コミュニテイセンターなどからなるニュータウンに出店する。計画では4.1haの敷地に分譲、賃貸、シニアマンションや住民向けサービス施設をつくる。西鉄ストアは店舗面積2,500m2の商業施設に8月予定で出店する。マンションの一部は募集を始めており、全体が完成するのは来年9月。

 道路をはさんで北側には昨年2月オープンしたトライアル、南側にはフードウェイがある。アイランドシティの居住人口は約7,500人。マンション建設で人口増が見込まれるとはいえ、人口1万人に1店が目安とされる食品スーパーの出店基準からいうと、店舗過剰感は拭えない。トライアルは低価格を武器に島外から集客している。フードウェイはドラッグストア、外食産業などの入る近隣型商業施設のテナントで、単独店より集客力があるのが強みだ。

 西鉄ストアの新店は小型店の「レガネットキュート」を除くと2011年11月「スピナ穴生中央店」以来。以後は居抜きで岡垣、三苫(福岡市東区)、美鈴の杜(小郡市)を出した。新店を見送ってきたのは、地盤の福岡都市圏で出店適地が少なくなっていることもあるが、採算見通しが立たなかったためだ。代わって安定需要の見込める既存店の建替えに力を入れてきた。19年3月期は2期連続で出店を見送ったが、姪浜と中間店を建て替えた。

 業績は厳しい。18年3月期は減損損失計上で13億7,500万円の最終赤字を計上、前期は減損計上はなくなったものの、売上は減ったと見られる。

 オーバーストアを覚悟の上でアイランドシティに進出するのは、西日本鉄道の住民サービスの一環もあると思われる。限られた商圏人口の下でどう採算を確保するかが課題となる。

(この項続く)

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