ライオンズクラブを本来の姿に─337-A地区の今とこれから─(2)
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ガバナーと代議員
ライオンズクラブにおける年間活動のサイクルは、毎期7月1日から翌年6月30日までの1年間である。活動については、各地区がそれぞれ独自性を打ち出し、各リジョン(R)、ゾーン(Z)、そしてクラブ(C)単位での活動を行う。日本では、8つの地域に分かれ、330〜337に分類。そして、ほぼ都道府県単位の35地区に区分、編成されている。
各地区トップの役職名は『ガバナー』と呼ばれている。ガバナーの任務は、国際協会の役員として、協会の目的を地区内のクラブの融和と奉仕を通じて推進・遂行することである。仮にガバナーに就任したとしても、ばく大な報酬を得られるなどの直接的なメリットは皆無である(間接的にはあるかもしれないが…)。
ガバナーに選出されるプロセスは各地区で異なるが、表面的には、ほとんどが平和的に決定される。
「人格、品格、品性、そしてライオンズクラブでの貢献度などが加味されて、リーダー候補が出てきます。周囲に“この人が将来のガバナーになるだろう”と予想されていた方が就任するケースが大半です」と述べるのは337-A地区内に属するクラブの幹部。概ね地区内に「あの人こそガバナーに相応しい」とされる人物が現れ、推挙されているのだ。
そのようななか、2017-2018年度の337-A地区ガバナー予定者の選出をめぐり、大きな波紋を呼ぶ出来事があった。ガバナーになりたいがために、投票権がある会員(代議員)に金品の贈呈をした者がいたのだ。
「確かに高級和菓子の詰め合わせが、送られてきましたよ。当該ガバナーの候補者からの“よろしく”という意味が込められているのだとすぐにわかりました」と語ったある会員。
さらに「後日、その方の“側近”から、手書きのお手紙が届きました。その候補者を“支持してください”という内容の文面でした。ほかの投票権のある会員(代議員)たちにも“和菓子、手紙が送られてきた”ということでした」(同上)と述べている。
金品の贈呈は、ライオンズクラブの規約に反してはおらず、「規約上では、問題視することはない」としたうえで、「なぜ、金品を贈呈してまでガバナーになりたいのか理解に苦しみます。我々は日々、自分の仕事を行いながら、時間をやりくりしてクラブの活動をしております。それは、どの会員も同じで、皆で〝地域の発展と活性化のためにお手伝いがしたい″という私心のない奉仕の姿勢からのものです。その姿勢こそがライオンズクラブの本質です。ルール上問題なければ何をやっても良いかというと、疑問ですね」(同上)。
他方、「ライオンズクラブの人事には関心がなく、お付き合いで会員になっている方々が大勢いることはたしかです。つまり、活動そのものや誰がガバナーになるかについて関心がなく、そもそもライオンズクラブに興味がないのです。そのような会員は、金品が送られて挨拶されたら、“はい、わかりました”となって投票するのですよ」(同上)
はたして、こんな体質のライオンズクラブに参加したい者はいるだろうか?
(つづく)
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