海洋資源大国・日本の生きる道:海底に眠るレアアース泥でエネルギー革命を!(前編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年8月9日付の記事を紹介する。
政治、経済、技術の分野を問わず、「創造的破壊」が求められる時である。アメリカがトランプ大統領の下、「アメリカ・ファースト」を唱え、内向きになり、世界の警察官の座を放棄する一方で、中国はロシアと連携を深め、「一帯一路」と「ユーラシア同盟」の一体化を進め、新たな世界的経済圏の構築に邁進している。
例えば、北極圏航路の実現に向けても中ロの協力が加速する。その影響もあり、日ロ間の「北方領土問題」の解決は遠のくばかりである。ロシアが実効支配する北方領土は北極圏航路にとっては要衝に位置するからだ。既に中国企業も国後島や色丹島でインフラ整備や漁業施設の建設に携わっている。
また、朝鮮半島においても南北の融和が統一に向かう可能性が間近に迫る。トランプ大統領はもちろん、冒険投資家と異名を取るジム・ロジャーズ氏も事あるごとに「北朝鮮は韓国と一体化し経済大国になる」との楽観論を明らかにしている。北朝鮮に眠る膨大なレアメタルを意識しての発言に違いない。
一方、南米ベネズエラでは世界最大の原油の利権をめぐってアメリカと中国、ロシアが熾烈な争奪戦を演じている。表向きは「アメリカ優先主義」を唱えるトランプ政権であるが、「アメリカの優位性を回復、維持するためには世界の資源を押さえる」ことに余念がない。その延長線上で、米中の関税戦争が新たな覇権争い、いわば「新冷戦」に発展する兆しも濃厚である。そうした地政学的な大変動を見越して、世界各国が水面下で合従連衡の動きを加速させている。
日本もグランド・デザインを描く努力がないままでは、世界を相手にした大競争時代を勝ち抜くことは難しい。今こそ、じっくりと足元を固め、遠近双方の情報を吟味した上で、日本の特質を生かした大胆な飛躍を遂げたいものである。日本にはモノづくりで世界をリードしてきた蓄積もあれば、自然と共に生きる国民的価値観が根強く息づいている。
数年前、日本は国連が定めた「国際森林年」を盛大に祝ったものである。これは、世界中の森林の持続可能な経営・保全の重要性に対する認識を高めることを目的としたものであった。言うまでもなく、森は水がなければ育たない。一方で、森は水を育てる働きをしている。
要は、森林と水は切り離せない関係にあるわけだ。日本は周囲を海に囲まれた「海洋国家」であると同時に、国土の75%が森林に覆われている「森林大国」でもある。森林の下には水源が眠っている。まさに「宝の山」といっても過言ではない。
その観点から、日本が抱える水問題を考えてみたい。なぜなら、自然の恵みである水と、それに関連した技術の蓄積、そして水を敬うライフスタイルこそが、世界の模範となり、同時に日本をジャンプさせるパワーを秘めているからである。
※続きは8月9日のメルマガ版「海洋資源大国・日本の生きる道:海底に眠るレアアース泥でエネルギー革命を!(前編)」で。
著者:浜田和幸
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