中国経済新聞に学ぶ~上海協議が破談 米国産農産物の輸入を停止(後)
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米国メイン州のロブスター業者が悲鳴
米国メイン州のロブスターの対中輸出量が急減しているが、これは米国が中国に貿易戦争を仕掛けたことで、米国の農業漁業従事者が損害を被っている1つの典型例だ。
「香港経済日報」は先般、中国に活ロブスターを大量に輸出しているメイン州の業者が憂慮の念を抱いていると報じた。米Maine Coast社は活ロブスターの卸売業者で、メイン州に本社を置く。同社の営業担当副総裁であるSheila Adamは、「米中の関税戦争のために、同社の中国での売上はすでに約80%消失した」と語った。
報道によると、中国という主要顧客を失い、Sheilaと彼女のチームはその他の市場に目を向けざるを得ない状況だ。彼らはロブスターを加工・包装し、29力国に出荷する準備をしているが、これらの国全てを合わせてやっと、中国という単一市場に相当する規模だという。
Sheilaは、「中国人は活ロブスターを何よりも愛しており、人口が多いため市場も広い」とし、「卸売業者として、これは非常に重要なことだ」との認識を示した。メイン州国際貿易センター主席のWade Merrittは、「関税が課される前、我々の輸出量は2018年1月から6月にかけて、前年同期比で170%増加した。しかし、2018年末までに、メイン州から中国への活ロブスター輸出量は約7%減少した。その6カ月で、我々は短期間で多くの損失を出した」と述べた。
メイン州のロブスター対中輸出総量についてMerrittは、「2018年から2019年にかけて82%減少した」とし、「この業界に重大な影響を与えた」と指摘した。
報道によると、Maine Coast社は「会社か生き残るためには、メイン州を離れ、カナダに移転して関税を回避することを検討せざるを得ない」としている。
米国農業に大きな打撃
ロイターは6日、中国商務部が同日に中国企業が米国産農産物の購入をすでに停止していると発表したことについて、米国の農業に大きな打撃を与え、中米経済貿易摩擦のなかで苦しむ米国農民の生活を一層苦しくしていると伝えた。
報道によると、米国農民組合連盟会長のジピ・ドバル氏は、中国が一時的に米国産農産物の購入を停止したことが米国の農業に「打撃」となり、数千人に上る米国農民の苦しい生活がますますひどくなると話した。豚肉に対する中国の非常に大きな需要について米国豚肉生産者協会は、経済貿易紛争を早期に停止することが重要で、そうなれば米国の豚肉生産者が豚肉輸出の歴史的なチャンスをつかむことができるとの見解を示している。
ロイターは、米国産大豆に対する中国の追加関税が、米国の最も重要な農産物の大幅な輸出減につながり、これに対して米国政府が救済措置として、100億米ドルの補助金を農民に支給せざるを得ないとの見解を示した。米国が発表した公式統計によると、中国が2018年に輸入した米国産農産物は91億米ドルで、主な品目は大豆、牛乳、コーリャン、豚肉だった。2017年の輸入額は195億米ドルで、中国が米国から輸入する農産物は「腰折れ」となっている。
また、中米経済貿易摩擦の影響を持続的に受け、シカゴ先物取引所の大豆先物価格は先週の下落率が3%を超え、8月5日には6月12日以来の最低価格を記録した。
INTL・FCストーンのアジア商品部門のシニアアナリスト、ダリソ・フリードリックス氏はブルームパークテレビジョンとのインタビューで、「農産物輸入は中国が米国への圧力として使えるてこだ。これは米国の農民と、トランプ大統領への支持者が多い農村部の有権者に影響する」と指摘した。
トランプ大統領はかねて、中国が米国産農産品を「大量」輸入してくれないと不満を漏らしていた。大阪での20力国・地域(G20)首脳会議で機を捉えて習近平国家主席と会談した際に習主席が大量輸入を約束したとトランプ大統領は主張している。貿易摩擦の悪化を受けて中国の買い手はブラジル産大豆を購入していると、状況を知る関係者が述べた。
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