2024年12月22日( 日 )

北洋建設総帥・脇山章治氏の次なる戦略は?(5)

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閉鎖性その3~2005年は資産造り元年

hokuyou 「14年10月期で141億円の完工高だ。看板が少ない」という素朴な質問に答えよう!!まず北洋建設は九州一円9カ所に営業所を出し各地を網羅している。沖縄まで進出していることはご存じあるまい。となると各営業所で稼ぐということになる。
 ただ営業所を漫然と開設しているのではない。住友林業住宅事業部の要請に応じて拠点を構えたのである(福岡市、北九州市、久留米市、佐賀市、長崎市、熊本市、鹿児島市、宮崎市、沖縄)。

 そこで判明したデーターを参照されたし。これはあくまでも判明した分であることをお断りする。判明した分では住友林業から北九州、福岡、西九州、熊本、鹿児島で合計30億78,013千円受注している。さすが住友林業の営業力は凄い。1件単価が16,000千円を下らない。受注する側から言えば効率の良い物件である。取材してまだ漏らしている分があるから推定で45億円はあるとみる。141億円の完工高の中で往来では45億円分の看板を見かけるのは不可能である(住宅現場では別だが)。

住林戸建てで稼ぐ

 脇山総帥の【ビジネス本籍は住友林業】と指摘した。脇山総帥の同年齢の人たちが住林の要職に就くようになる。旧本社(福岡市南区向野)には住友林業のショールームが入居していることからも、同社とのツナガリの深さがわかる。ますます住友林業との関係性は重層的になっていく。
 住友林業の木造戸建ての下請け業者は元々、沢山いたが、廃業などが相次いでいる。必然的に信頼できる同社への仕事依頼が増えた(聞くところによると九州地区以外での受注の要請があっているがそれは断っているとか)。また住友林業の九州地区での受注量も相対的に増えている。北洋建設が10年間安定した受注増加を確保できてきたのも住友林業のお蔭といえる。こういう水面下での受注実績を明らかにできるのはこのレポートのみである。

 さらにプラスすることではNTTからの鉄塔工事を年間10億円は受注している。この分の現場の看板にはお目にかかれない。加えること各営業所下の回収工事現場では現場看板は下ろしているから、目につくが福岡の方々のお目にははかからない。だからこそ福岡の建設業界の従事者たちが「一体、北洋は何処で仕事を捻出しているのか?」という疑問を抱くだろうが、このレポートを読めば納得できるはずである。「脇山氏の閉鎖性の気質が現場隠しを招いた」とのではなく、たまたま元々の受注構造が閉鎖性を生みだしたといえる。しかし、この10年間、いや最近の情報閉鎖性は別の理由があるからである。

2005年が資産造りの分岐点

 1989、90年の平成へ突入する時点では北洋建設は特筆するほどの会社ではなかった。【ただ手堅い電電公社の仕事をしている建設会社】というのが一般的な評価であった。さほどの資産形成はなかったようだ。そこに脇山章治氏が98年に社長に就任して大躍進し始めたことは幾度となく触れた。そして大転換が訪れたのが2005年であったのだ。

 何が大転換しだしたのか!!大躍進した結果、懐具合が豊かになった。資産膨張のチャンスが巡ってきたのである。後記シリーズで詳細に報告するが、2005年を境にして資産会社(株)ダブリュコーポレーションの不動産購入のピッチが加速するようになった。表現を換えれば【2005年は北洋グループにとって資産造り元年】なのである。脇山氏は世間体を気にするお方だ。【成金】と見られたくない。【資産膨張をどうにかして隠したい】という切実な問題に直面した。
 その為に企業にとっての方向を閉鎖性へ舵を取ったと推測される。

(つづく)

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