2024年12月28日( 土 )

癒しを求めて 全国から経営者が来院(前)

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ストレスケア日比谷クリニック

 東京・日比谷に、企業のトップがよく利用する心療内科クリニックがある。クスリを使わずにストレスケアを行い、慢性疲労を改善させるとあって、大企業の幹部や中小企業の社長、有名な芸能人や政治家なども全国から訪れる。ストレスケア日比谷クリニックの院長、酒井和夫医師は、東京大学文学部で哲学を学んだ後、筑波大学医学部に入り医師になった変わり種だ。酒井院長は、「哲学を学んだことが、精神科の治療に役立っている」という。酒井院長に抗疲労・ストレスケアの実態を聞いた。

本当に良くなればお金は惜しまない

 「馴染みの社長さん」という言い方はおかしいですが、治療がひと段落した後でも「ストレスケアや癒し、疲労解消」を求めて通われる方が多いのです。馴染みになった社長さんから紹介されて来る方が、また別の経営者を紹介する。こんな口コミの連鎖で、いつしか企業トップの溜まり場みたいな感じになっていました。

 とりわけ最近は中小企業のオーナーさまが多いですね。経営が厳しくストレスが溜まっている方、人手不足からくる過重労働を強いられ慢性疲労になっている方などです。不調を訴えられる背景には、「資金繰りで困っている」「後継者がいなくて先行きに不安を抱えている」など、さまざまです。ひどい例では、詐欺に遭い大金を騙し取られて自殺を考えたという経営者もいます。

 最近、秋田県から来られた社長さんも、東京の取引先の社長さんからの紹介でした。遠方から来られた理由を聞いてみると、「地方は顔見知りの人が多く、心療内科にかかっていることが周囲の人に知られてしまう」と言います。それと、地元の医療機関は保険診療が中心なので、「クスリを出すばかりで選択肢がない」と言っていました。企業のトップクラスになると、保険がきく、きかないは関係ないようです。自分が本当に良くなれば、お金は惜しまない。うちに来られる方もこんな人が多いですね。

安心して飲める静養ハーブ

 当院では、極力クスリは使いません。たとえば、西洋ハーブの一種で、料理のスパイスとして利用されている植物にサフランがあります。これは中枢神経を活性化させ、記憶力を高める働きがあるので、サフランを原料としたサプリメントは疲労を回復させる効果があります。うちでも患者さんに処方していますが、皆さん「眠りが深くなった」と喜ばれています。睡眠薬のような副作用や依存症がないので、安心して飲めると言っていただいております。

 それから、慢性疲労になると軽いうつ症状をおこす場合があります。こういうときは、ミミズのサプリメントを処方します。ミミズというと血栓溶解作用で注目を集めていますが、それとは別に眠りが深くなって、疲れが取れるなどの効果があるのです。

 うつ病の治療効果を「うつ病治療に対する治療反応率」と呼んでいますが、一般的な抗うつ薬の反応率は50%程度で、副作用があります。私が開発したミミズ酵素(ルンブロキナーゼ)の反応率は85%です。しかも副作用はゼロです。これまでに200例のデータがありますが、患者さんの評価で一番多いのは、「朝の寝起きがすっきりして気持ちが軽くなった」というものです。ミミズ酵素は脳梗塞や心筋梗塞に有効だと見られていましたが、ストレスケアや抗疲労にも効果があることを突き止めたのは私だと自負しています。製法特許を取り、有効例については学会発表を行いました。

(つづく)
【取材・文・構成:吉村 敏】

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URL:http://strescue.com
MAIL:contact@strescue.com

<プロフィール>
酒井 和夫(さかい・かずお)

 精神科医 医学博士、日本精神神経学会精神科専門医、指導医、日本医師会認定産業医。現在、医療法人社団緑和会理事長、ストレスケア日比谷クリニック院長。

(後)

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