北洋建設総帥・脇山章治氏の次なる戦略は(11)
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(株)ダブリュコーポレーションで資産造り絶好調(1)
ダブリュコーポレーションで資産造りに専念することを本格化させたのは2002年からである。水面下で着々と進めてきた資産形成により、所有不動産は100億円規模とも囁かれている。さー、その手法とはいかに。
北洋建設から土地収益事業を移管
(株)北洋建設は、今や福岡を代表するゼネコンである。1998年に脇山章治氏(現:会長)が代表に就任し、増収増益基調となり急速に業績を伸ばしてきた。北洋建設の成長により脇山会長の経営手腕も高く評価され、「無借金の優良ゼネコン」が同社のイメージとなった。一方で、北洋建設の影に存在する資産管理会社、(株)ダブリュコーポレーションの内容は、あまり知られていない(以下W社)。
76年12月に(有)北洋産業として設立されたのが、(株)ダブリュコーポレーション(以下、W社)の始まりである。脇山章治氏の北洋建設の代表就任と同じ時期に、W社の代表にも同氏が就任している。
2002年1月にW社は現社名となったが、北洋建設が不動産事業を本体から切り離したのも同時期だ。北洋建設は、土地収益事業の一切をW社に移管した。以降、北洋建設は、ほとんど固定資産を持たない経営を続けている。固定資産が少ないと総資産が圧縮されるため、全般的に経営指標の数値は良くなる。いわゆる「持たない」経営だ。建設業は許認可業種であり、規模によって異なるが、経営事項審査で一定水準以上の財務内容を保つ必要がある。建設業だけで確実に収益が確保できるのなら、不動産事業を持たないのは合理的な判断だろう。
こうしてW社は、北洋建設グループの不動産事業を手がける会社となり、さらには資産管理会社の色合いを強めていく。W社も、かつては決算が公表されていた。ところが、現在ではまったくの非公表だ。収益物件を所有していることは周知だが、実際にどれくらいの物件を所有し、どれくらいの資産を形成しているのかは判然としなかった。W社の内容がわからなければ、北洋建設グループの全体像も見えてこない。そこで今回、W社の所有資産の状況を調べてみた。
ちなみにW社の代表は脇山章治氏で、取締役は亨治氏、孝治氏、章太氏、監査役は愛氏と、完全な脇山家の同族企業である。(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
(株)ダブリュコーポレーション
代 表:脇山 章治
所在地:福岡市博多区博多駅東2-6-23
設 立:1976年12月
資本金:1,000万円関連キーワード
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