【業界ウォッチ】焼き芋ブーム
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秋は食欲の秋、サツマイモも収穫の時期を迎えているが、冬にかけて街中で「焼き芋」の屋台を見かけることも少なくなった。
焼き芋はいまやスーパーで買う時代。売り場に焼き芋器が置かれ、手頃な価格で焼きたてを販売し、女性や子どもたちの人気を集めており、1年中の定番アイテムになっている。
1日1000本以上売るのが「ドン・キホーテ」。歩いて食べられるモバイルフードとしても注目されており、昨年11月にオープンした「MEGAドン・キホーテ港山下総本店」では、4台の焼き芋器をそろえ、紅あづまや紫芋などさまざまな種類を販売している。
ファミリーマートとの共同実験店舗でも大ヒット商品となっている。
ローソンストア100では、毎日約1万本、1カ月で約200tも売れている。紅はるか、紅あずまなど、焼き芋に適した品種の国産さつまいもを、店の専用機械でホクホクに焼き上げ、レジカウンターで、1本108円(税込)で販売している。
今シーズンは焼き芋をより楽しむため、いろいろな食べ方を提案している。ジャムやピーナツクリームを塗ったり、レーズン、バターを載せたり、チーズトッピングをベースに、オーブントースターも使うなど簡単な調理方法も紹介している。
コンビニ、スーパーだけではなく百貨店でも専門店が展開されている。昨年10月、「大丸梅田店」に出店した「蔵出し焼き芋 imot(イモット)」は、こだわりの焼き芋専門店。こちらは100g216円。
温度と湿度を管理した貯蔵庫でサツマイモを熟成、品評会で天皇杯を受賞した茨城県産の「紅優甘」、選りすぐった九州産の「百日熟成 紅はるか」、福井県の「とみつ金時」をそろえ、「ほくほく」「ねっとり」「しっとり」と食感を選ぶことができ、限定品種も登場させる。
「銀座三越」の「cadeau de CHAIMON(カドー ドゥ チャイモン)」は、「芋ソムリエ」が選んだ厳選素材を、匠の技術が焼き上げたというこだわりをアピールする。一番人気の「甘蜜安納」。100gあたり350円
昨年6月、銀座に路面店としてオープンしたのが「銀座つぼやきいも」。
「まるごと」(756円)、「はんぶん」(378円)、「ちいさいの」(270円)の3つのサイズを用意。夏場向けにアイス焼き芋もそろえ、店内にはイートインスペースも設け、お茶と水をセルフサービスで提供する。
屋台の焼き芋屋さんの減少で、買い場が失われ、スーパーやコンビニがそれにとって代わり、さらにこだわりの専門店も登場し、焼き芋ブームが到来している。女性や子どもが好きな親しみやすい食べ物なので、今後も人気は続くものと思われる。
【西川 立一】
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