2024年11月24日( 日 )

【横田一のSAKURA〈桜〉front row】前田晋太郎・下関市長~取材メモ(12月2日、4日)

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■12月2日、前田晋太郎・下関市長に直撃取材

前田晋太郎・下関市長

――市長、どういう枠で行かれたのか、前回答えられなかったのですが、「桜を見る会」。
前田市長=どちらさまですか。

――(名刺を差し出した後)どういう立場で参加なさったのですか。「市長」だと公務になりますよね。(11月18日の定例会見で)「地元市長」と言ったり、「もと秘書だった枠ではないか」と言ったり、どういう枠で行かれたのですか、3回連続で。
前田市長=(考え込んで答えず)

――市議会議員時代にも4回ぐらい行かれていますよね。
前田市長=行っています。行っています。

――それは、「安倍派の下関市議枠があった」ということですよね。毎日新聞にも報道された(「下関市議枠」が)。
前田市長=私は(安倍首相の)元秘書ですから。

――元秘書なら特別扱い、「元秘書枠」というのがあるのですか。
前田市長=いやいや。いま市長になったから、こういうふうに質問をされますけれども、市議の時はこういう質問はないわけで、市議の時のことは混ぜないで欲しいと思います。

12月3日、野党追及チーム議員の下関視察
(サンデン旅行など)

――今から振り返ってみると、安倍派ではない市議会議員には案内が行かなくて、安倍派(市議)だけに(案内が行った)。差別的対応だと。
前田市長=私は市議会議員時代、安倍事務所の参与だったのです。

――「安倍事務所のスタッフ」として呼ばれたということですか。
前田市長=そうです。そうです。そうです。そうです。

――市議会議員としての枠ではないのですか。
前田市長=だと思いますね。市議会議員が全員じゃないものですからね、当然。

――それの連続(で市議会議員時代に「桜を見る会」に3、4回参加したと)。
前田市長=元秘書の市会議員は私しかいなかったでしょう。だから、それは。

――「安倍事務所スタッフ枠」というがあるわけですか。
前田市長=それはわかりませんよ。それは向こうに聞いてくださいよ。

――その(安倍事務所スタッフ枠)で行かれたわけですよね。
前田市長=(安倍総理から)手紙がきて行くのに「なんで呼ばれたのですか」と聞く人はいないでしょう。

――手紙のコピーはありますか。(ジャパンライフ山口隆祥代表と同じ)「60番」の枠ではないですか。安倍総理枠。
前田市長=知りませんよ、そんなの。

――記憶はないですか。
前田市長=持っていないですよ。

――ジャパンライフの社長と同じ枠ではないですか、「60番」。
前田市長=どこにあるのですか、番号が…… 。それ。

――送られて来ますよね。
前田市長=横田さんはそれを見られたことがあるのですか。

――僕は参加していないので。
前田市長=一般的に。

――ジャパンライフの社長の(「60番」と記載された招待状の)コピーが出回っているじゃないですか。
前田市長=番号を打った側に聞いてくださいよ。私は番号を見ていないですから。

――会場で(招待状を)渡された時に「60番だった」という記憶はないですか。
前田市長=ないですよ。何に書いてあるのですか、そもそも。

――前夜祭で領収書はもらわれました。
前田市長=あるでしょう。

――お持ちですか。
前田市長=わからないな。政治資金を使っていませんから。私費でやっているから、捨てていると思います。

――政治活動の一環、政務としてとして行かれたのではないですか。個人的立場で行かれたのですか、「桜を見る会」を含めて。セットですよね、一応。
前田市長=セットであるかは関係ないでしょう。

――「桜を見る会」は「安倍事務所スタッフ枠だろう」ということですよね。市議会議員時代から4回行って、市長になって3回行った。
前田市長=「市議会議員時代から」ではなくて、「市議会議員時代の時は(安倍事務所スタッフ枠)」ですね。

――市長になってからはどういう枠ですか。
前田市長=(「桜を見る会」の招待状は)「下関市長 前田晋太郎」ということで来ているから。

――でも普通は、知事とか地方議会の議長は呼ばれますが、市長はあまり呼ばれないですよね。どこの市長も呼んだらすごい人数になる。
前田市長=(安倍首相の)選挙区が地元(下関市)だからあり得るのではないですか。

――「首相の地元市長枠」だと。
前田市長=唯一の存在じゃないですか。私とか(安倍家のお墓がある)長門市長とかは対象ではないですか。

――そういう枠があるわけですか。
前田市長=知りませんって、枠は。枠の話は僕に聞かないでください。

――安倍派の市長とか地方議員が呼ばれるのは差別的対応、公職選挙法違反……(市職員が間に入って前田市長が立ち去る)

■前田晋太郎・下関市長の追加取材情報。12月4日、シーモールパレスにて聞き取り。

シーモールパレスの案内

〈取材メモ〉
(1)安倍首相元秘書で安倍派市議でもあった前田晋太郎・下関市長(「桜を見る会」に市長時代に3回、市議時代にも4回招待)が12月3日、下関駅近くの「シーモールパレス」(結婚式・宴会場)でパーティー(市政報告会)を開催。会費5,000円。

(2)最も広い「エメラルドの間」での立食パーティー。複数の途中退席をした参加者によると、会場は参加者でほぼいっぱい。総数は約400人から500人くらいだろうとのこと。「配川博之秘書が乾杯の音頭を取ったが、前田市長も配川氏も一言も『桜を見る会』については触れなかった」(参加者)。

(3)出口で声をかけた途中退席の参加者には「桜を見る会」招待者が複数いたが、その1人は、安倍後援会「晋友会」の最高顧問(90代)。その前は地区の会長を務めたとのことで、「NHKにも取材協力、番組にも出たが、『実費を払っているから何ら問題ない』と話した」「前夜祭にも参加、領収書はもらったが、保管していない」とも語る。別の参加者は「自治会ルートで招待された」とのこと。

シーモール下関内にある「シーモールパレス」
(下関市竹崎町)

・途中退席者は「食事がなくなったから引き上げた」「立食パーティーなので、安価な寿司などが出ただけ。豪華なコース料理を座って食べたわけではない」などとコメント

(4)「シーモールパレス」に立食パーティー開催費用を聞くと、添付のチラシに「バイキング」コースで1人あたり5,500円より、と。前田市長パーティーが開かれた「エメラルドの間」は500人収容可能で、1割程度の値引き(会費5,000円)は可能だが、半額値引き(500人のパーティーで250人分の食事提供)まで引くことはないとのこと。

シーモール下関で開催中の「安倍晋三記念写真展」
はまったく人が入らずガラガラ

・立食パーティーの下関と東京の相場観について聞くと、「田舎の下関で会費5,000円と同程度の立食パーティーを東京でやるとなると、2倍ぐらいは高くなるだろう」と回答。最低1万円以上とのニューオータニの相場とほぼ一致。

(5)地方都市の下関で会費5,000円なら、東京一流ホテル(ニューオータニ)での前夜祭は1万円程度は確実(下関での立食パーティーの食事がよっぽど豪華なら話は別)

【横田 一/ジャーナリスト】

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