2024年11月24日( 日 )

大激戦の京都市長選に山本太郎代表が三度目の福山和人候補応援

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 四選を目指す門川大作陣営が出した「大切な京都に共産党の市長は『NO』」の新聞広告で注目度が急上昇した「京都市長選(2月2日投開票)」は、ネガティブキャンペーンを仕掛けられた福山和人候補(共産・れいわ推薦)と現職との一騎打ちの様相を強め、「期日前投票の出口調査では横一線」(門川陣営)という大激戦。最終日の1日には、人気抜群の山本太郎代表が三度目の京都入りをして、16時半から6ケ所でマイクを握った。一緒に街宣をした福山氏が“れいわ旋風”の追い風で、先行していた門川氏を最終盤で抜き去る可能性も出てきたのだ。

 選挙戦もヒートアップ。ヘイトスピーチ紛いの反共攻撃に対抗すべく福山陣営は「大切な京都だから全ての市民の声を聴く市長に『YES』」という同スタイルの広告を出し、チラシも作成して個人演説会などで配布。門川陣営が「地下鉄延伸」「北陸新幹線延伸」「文化庁本格移転」の三大プロジェクトを広告に掲げたのにも対抗して、福山候補の目玉政策を広告やチラシに同じように列挙。それは、「返さなくてもいい奨学金」「中学卒業までの医療費無料」「小学校のような中学校給食」「敬老乗車証の現行制度を守る」「ホテル・民泊は総量規制」の五つで、「大型事業推進の土建政治 対 くらし応援市政」という構図を浮き彫りにする働きをしていたのだ。

 山本氏と福山氏の主張は似通っていることから、“山本人気”を取り込める素地は整っているのは間違いない。31日の北区での個人演説会で福山氏は、門川陣営が重視するリニアや北陸新幹線についてこう反論した。

 「『福山は未来の京都のことを考えていない』と仰る方がいる。『未来の京都』は『リニア』とか『北陸新幹線』のことを指すのですが、なんで未来が開けるのか分かりません。『未来』というのなら子供や若者への投資。病気や失業などいろいろな不安があるけれども過ごしていけるのが京都の未来図ではないか」。

 山本氏も25日の応援演説後の囲み取材で、こう語っていた。
「『リニア新幹線はペイしない』と言っているものを作ろうとしているから、その(補填)分は税金でしょう。これ以上速い移動を考えるのではなくて、京都市としては生活の底上げの方が重要だ」「北陸新幹線も『全く作る』とは言いませんが、順序が違うという話です」。

 大型事業推進よりも子育てなどのくらし関連予算を優先するということで両者は一致していたのだ。

 観光公害(オーバーツーリズム)も争点の一つだ。福山氏は「ホテル・民泊は総量規制」と規制強化を訴え、25日に応援演説をした志位和夫委員長はホテル計画が浮上している事例をあげながら、計画見直しを訴えた。「京都の街を守るという点では『仁和寺』と『無鄰菴』の問題がある。自民党をずっと支持してきた方々も『今度ばかりは、京都壊しの自民党に任せるわけにはいかない』という流れがあります」。

 これに対して門川氏は街宣で、外国人観光客増加による経済的メリットを強調。規制強化の必要性には触れるものの、総量規制にまでは踏み込んでいない。

 アベ土建政治と新自由主義の流れをくむ門川氏と、くらし応援で観光公害規制強化の福山氏はまさに対照的。「れいわ旋風」「山本太郎現象」がどこまで影響を及ぼすのかのバロメーターにもなる京都市長選の結果が注目される。

【ジャーナリスト/横田 一】

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