【新型コロナ】繁忙期真っ只中の住宅業界「在庫で対応も長期化を懸念」
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新型コロナウイルス感染拡大を受け、TOTO、LIXILなど住宅設備機器の一部で納期遅延が発生したことで、地場の住宅業界でも影響が出始めた。
まもなく入居開始となる新築分譲マンションの開発業者は、「発注は新型コロナウイルスの影響が出る前だったこともあり、影響はない」と口をそろえた。しかし、中古マンションの販売業者からは、「住設機器の入れ替えをともなうものについては、影響がでてくるだろう」と話す。中古マンションはリフォームを施したとしても事業期間が短いため、住設機器の発注から引き渡しまでの期間も短いからだ。
福岡都市圏で戸建住宅の施工販売を手がける工務店は、「3月末の引き渡し分はモデルハウスに設置していた未使用のトイレを移設することで対応できたが、納期遅れが長期化するとそれも難しくなる」という。別の工務店からも、「3月末引き渡し分は在庫で問題なく対応できた」と聞かれた一方で、「5月から7月にかけて、建売住宅の完成が複数棟控えている。長期化した場合は、生活に困らないものを仮付して、納品後に取り替えることで対応するしかないだろう」と話す。
トイレは工期後半で取り付けるため、ある程度は融通がきくが、一部で納期が遅れている換気扇を含むユニットバスは前半に設置するため、工期に大きく影響しかねない。また、引き渡しまでの期間が長ければ長いほど金利負担も重くなる。それでも、「東日本大震災の時は断熱材が手に入らなかった。それと比べればまだマシ」と話す。
賃貸住宅の入退去にともなうリフォーム業者からは、「クロスの供給には影響なく、住めるようにするには問題はない。ただ、一部の部品供給が不足しているところもあるが、今のところは在庫で対応できている」という。いずれも今のところは在庫があり、それで対応できているようだが、長期化を懸念する声が聞かれた。
【永上 隼人】
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