【新型コロナ】イベントの中止、延期で3月は売上が激減
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今回の新型コロナウイルスで、さまざまな業界が影響を受けている。イベント関連業界もその1つだ。
福岡県下を中心にイベントを手がけているA社も3月から4月にかけて依頼されていた展示会や企業PR、ショッピングモールで開催する子ども向けイベント6件が中止や延期となった。その結果、3月の売上が大幅に減少すると頭を抱える。
「2月の早い段階で延期になったものもあるが、大半が2月末に決まった。東日本大震災の時も行政や企業がいっせいに広告やイベントを自粛した。今回もこの時と似ているが、自粛ムードがいつまで続くのかわからない。長期化すれば、企業経営に深刻な影響を与えることにもなる。現在のところ、3月と4月のイベントに関する方針は出されているが、それ以降については不透明なまま」と不安な胸の内を明かす。
大型のイベントが中止や延期になると、主催者側の関係者だけでなく、参加を予定していた企業にも影響を与えるという。「たとえば、電気設備や機械、商品などの卸会社が、取引先を招いて開催する展示会が実施されなくなると、主催側は展示会での売りが立たなくなるし、参加する取引企業は、展示会で予定していた仕入れができなくなる可能性もある」という。
今回、中止や延期が決まったイベントは、秋口の開催で日程を調整しているものが多いというが、さまざまなイベントが集中する秋口に会場を抑えられるかどうかについては不安が残る。
「これで3月の売上が飛んだ」――――安倍総理が、イベントなど人が集まる催しの自粛を要請した会見を見た時に感じたという。イベントの主催者から依頼を受けて、人の手配や会場での運営などを請け負っている事業主だ。
それまで開催か中止あるいは延期かを決めかねていた主催者が、安倍総理の会見を受けて自粛を決めた。その結果、この事業主が関わる予定だった3月のイベントはすべて中止や延期となった。それらの連絡を受けたのは、すべて安倍総理の会見の翌日だったという。
イベントによっては、事前に費用が発生するものも多い。「イベントで使用する映像やパンフレットなど、人が動いているものについては主催者が費用を負担してくれるだろうが、機械や設備などイベントの仕事を見越して投資しているものについては各企業が負担することになる。今の雰囲気では、投資したものがいつから回収できるかがわからないという不安は残るだろう」という。
一方で、同氏は今回の件を新しい変化につなげてもらいたいと前向きにもとらえている。「スポーツやコンサート、展示会などイベントは人が集まるものというのが常識だが、観客や参加者がいなくてもネット配信などによって開催するのが当たり前の時代がくるのではないか」と期待している。
新型コロナウイルス騒動は、社会に変化を求めるきっかけにもなる。経営者には変化をチャンスととらえる発想が必要であるともいえる。
【宇野 秀史】
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