イタリアにおける新型コロナウイルスの最新状況(前)
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イタリアにおける感染者数の推移~3月31日までの感染者数10万5,792人
小池百合子東京都知事は、「感染爆発を抑えられるかの重大局面」だと繰り返し述べ、ついに日本でも初めて「緊急事態宣言」が出されるか――。これまでイタリアや欧州がどのような道をたどってきたのか、改めて注目を集めている。
イタリアだけでなく世界中が初めて直面する難しい局面であり、それぞれの政府がどんな対策をとるかについて、批判をすることは難しい。各国、同じような間違いを犯しながら、少しずつ改善策を見いだしているという状況だろう。しかし、急速な感染拡大が後から始まった日本には、イタリアや欧州の犯した間違いを繰り返さないでほしいと願っている。
イタリアで初めて新型コロナウイルスによる感染者が確認されたのは1月29日、武漢からの中国人旅行者2名だった。そして、2月21日、北イタリアのロンバルディア州で初めてイタリア人の新型コロナウイルス症例数件が確認される。しかし、中国への渡航経験などはなく、いまだに感染経路は判明していない。その後、感染者の出た北イタリアのいくつかの地区が「レッド・ゾーン」として封鎖されることになった。
イタリアでの感染はとくに北部を中心に広がり始めた。3月4日、政府は3月15日までイタリア全土の学校・大学の閉鎖を決定。検査数に大きな違いがあるため日本との単純比較は難しいが、ちょうどこの週のイタリアでは、この数日の日本国内の感染確認数に近い1,600人台(3月1日)から始まり、1週間で一気に5,000人台(3月7日)へ感染者が急増している。
3月8日には、ロンバルディア州を中心に14の県を「レッド・ゾーン」として封鎖・隔離する命令が出された。3月9日、コンテ首相は「レッド・ゾーン」をイタリア全土に拡大し、イタリア全土を封鎖するという決定をテレビで発表した。翌10日には、イタリアの感染者数は1万人台に到達していた。
この閣僚政令(DPCM)は、#IORESTOACASA政令(STAY HOME 政令)と呼ばれ、商業活動についての制限や停止などが求められたほか、生活や仕事、健康上の必要性が証明できる場合にのみ外出を許され、それ以外の外出については規制されることになった。3月11日、世界での新型コロナウイルスの感染拡大を受け、WHOが「パンデミック」を表明。しかし、すでに全国レベルでの対策が始まっていたイタリアにとっては、この宣言はあまり大きな意味をもたなかっただろう。
3月31日夕方までの集計では、イタリアにおけるこれまでの感染者数は10万5,792人、死亡者数は1万2,428人と発表されている。完治した人数はこれまでで1万5,729人、まだ陽性反応がある患者数は7万7,635人で、そのうち入院中2万8,192人、それと別に集中治療中が4,023人、自宅隔離中が4万5,420人である。感染者数の多くは、イタリアの北部4州に集中しており、ロンバルディア州だけで、これまでの感染者数は4万3,208人に上る。
イタリア陽性患者のうち自宅隔離中の人が半数以上を占めるが、症状が軽い人向けに抗マラリア薬とAIDS患者に使用される抗ウイルス薬が、かかりつけ医の処方があれば健康保険でカバーされることになった。また、かかりつけ医への相談は、感染拡大防止の観点から、メールまたは電話で症状を相談することができ、電子処方箋を受け取ることができる。感染が疑われる場合は専用の番号に電話し指示を仰ぎ、自身の判断で医療施設に赴き診療を受けることは避けることになっている。
イタリアは3月31日までの時点で50万6,968 人分のPCR検査を実施している。自宅隔離中の陽性患者が4万5,420人に上る以上、自宅内においても家族から隔離できる対処をしなければならないかどうかを検査で知ることが可能なことは非常に重要だ。
単純に数値だけを見るとこれまでの感染者数に対する死亡者数の割合は11.39%だが、3月26日にイタリア保健省が発表している死亡患者の特徴によると、平均年齢は78歳、うち男性70.4%、女性29.6%で、既存の疾患をまったく持っていなかった人はわずか2.1%で、残りの97.9%は1つ以上すでに別の疾患を抱えていた患者だったことがわかっている。
(つづく)
【日伊経済連合会 会長 ディサント・ダニエレ】
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