2024年12月19日( 木 )

新型コロナウイルスからの警鐘~テレワーク社会の構築で新時代へ

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 安倍晋三首相は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため、「緊急事態宣言」を7都府県(東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪・兵庫・福岡)に発令した。
 しかし16日、いったん与党内の手続きを終えた「減収世帯を対象に30万円を給付」の予算案の内容を国会提出直前に、緊急事態宣言の対象を全国に広げ、公明党の主張を受け入れ全国民に一律10万円を給付することに変更。
 公明党の山口委員長が連立離脱をちらつかせて首相に翻意を迫った理由は、全世帯への布マスク配布や自宅でくつろぐ動画のインターネット交流サイト(SNS)への投稿など、首相主導の一連の情報発信が公明党支持者から不興を買い、突き上げを受けたからだといわれる。

 政府関係者によると、首相は周囲から「公明党の言いなりと思われるのはまずい」と助言されたことを受けて、緊急事態宣言の対象を全国に広げ、政策変更の「論拠」にしたとされる。
 17日の記者会見で、首相は「ここに至ったプロセスにおいて混乱を招いたことは私自身の責任であり、国民の皆さまに心からお詫びを申し上げたい」と、今まで安倍一強だった政権運営が、目に見えない新型コロナウイルスの出現により、一気に瓦解するのではないかとの危機感をにじませる表情は印象的だった。

【表1】を見ていただきたい。47都道府県の新型コロナウイルス感染者数の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆国内における4月21日の感染者は前日比+347人の11,154人。
◆感染者数のトップは東京都で感染者は3,184人。シェアは28.95%と高いものの、微増で推移しており、大阪府も同様の動きとなっている。

【表2】を見ていただきたい。4月21日の全国(9地方)の感染者数の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆関東(7都県)の4月21日の新型コロナウイルス感染者は前日比+162人の5,679人(2.9%増)となっている。全国のシェアは51.63%と5割を超えている。そのうち、東京都のシェアは28.95%を占めている。
・次が近畿地方で、前日比+106人の2,259人(20.54%)。東京都と同じく、大阪府のシェアは11.8%と5割を超えている。
◆関東地方と近畿地方を合わせると新型コロナウイルスの感染者数は7,938人で、シェアは72.17%と7割を超えている。新型コロナウイルスの感染者抑制は、関東地方と近畿地方が急務となっている。

~「緊急事態宣言」の発令後の生活について~
 一般家庭では、土日や祝日しか家にいなかった夫が、新型コロナウイルスの影響を受けて、在宅勤務や学校閉鎖が続き、家族がずっと家で顔を合わせる状態が続いている。そのため、妻に対するドメスティックバイオレンスや子供に対する児童虐待など、家庭内暴力が問題となっているといわれる。
 私は現在、感染者が16人出ている島根県の益田市に住んでいる。新型コロナウイルスに対する「緊急事態宣言」発令されたため、この執筆を含め毎日自宅でテレワークをしている。
 今は朝6時過ぎに起きて、朝方に終わるダウ平均株価を確認。9時から始まる日経平均株価の動きや九州地銀の動向や株価をチェックするのが日常業務となっている。
 知人に今どのような生活をしているのかと聞いたところ、テレビを見ても新型コロナウイルスの放送ばかりで気分が滅入るため、昔のビデオを鑑賞したり、音楽を聴いたりして気を紛らわしているという。
 私は「緊急事態宣言」発令前は週に1~2回、山口県の下関市、北九州市、福岡市など他県へ取材のため出向いて情報を得ていたが、今は近くのスーパーに買い物に出かける以外、じっと自宅に引きこもっている。ただ幸いにも、少しばかりの畑があり、毎日、妻と野菜の手入れをするのが日課となっている。
 新型コロナウイルスは、現在の勤務体系を見直し、在宅勤務ができるテレワーク社会の新時代を築けとの警鐘なのかもしれない。
 しかし、新型コロナウイルスの収束は1年以上かかるとの見方も出ている。外出もままならず、心身ともに限界に近付いているのは、はたして、私だけなのだろうか。

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【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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