九州地銀の20年3月期決算を検証する(1)
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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、20年3月期の決算発表を延期していた福岡中央銀行が27日に公表し、九州地銀(18行)の決算が出そろった。
トップ交代は、宮崎銀行1行だけだった。平野亘也(67歳)頭取は在任4年で会長に就任予定で、新任の頭取には杉田浩二(60歳)常務取締役(執行役員兼務)が昇格する。【表2】を見ていただきたい。地方別の新型コロナウイルスの感染状況推移表である。
~この表から見るもの~
◆全国の新型コロナウイルスの感染者は28日現在、16,353人(前日比32人増)。九州は881人(前日比8人増)で、全国シェアは5.29%となっている。そのうち福岡県が682人で、九州での比率は77.41%を占めている。
◆九州の8人増は北九州市で、5月22日まで3週間以上感染者ゼロの日が続いたが、27日に新たに8人(医療スタッフ4人)が感染し、5日連続で計22人の感染が確認されている。このうち17人は感染経路が不明で、「第2波」への警戒が強まっている。
・28日の全国感染者が前日比32人増に対して、北九州市の感染者は8人増で、比率25%と非常に高いことがわかる。
◆福岡県は1週間で24人の感染者が発生しているが、そのうち22人が北九州市となっている。そのため、同市は28日から来月18日まで、小倉城など43の市の施設を再び臨時休館にするとともに、不要不急の外出自粛を市民に呼びかけている。
◆北九州市は28日午後10時に記者会見し、21人の感染者が発生したと発表。病院の医療スタッフら計11人(北九州総合病院2人、門司メディカルセンター9人)が含まれており、両病院でクラスター(感染集団)が発生したとみられる。感染経路不明は4人だった。【表3】、【表4】、【表5】、を見ていただきたい。日経平均株価および九州地銀の株価推移表である。
~この表から見えるもの~
◆政府の新型コロナウイルスに対する「緊急事態宣言」の解除を受けて、28日の日経平均株価(終値)は、前日比+497.08円の2万1,916円31銭(前日比2.32%増)となっており、25日から4日続伸。上昇額は1,500円を超えている。
・東証一部上場の九州地銀7行(含むFG・FH)の株価は、宮崎銀行、佐賀銀行も前日比で大幅に上昇し、全行が3月末比プラスとなった。
・福証単独上場5行のうち、福岡中央銀行と筑邦銀行が3月末比プラスとなっている。<まとめ>
日銀のマイナス金利政策および新型コロナウイルスの影響で業況が厳しいなか、株価がプラスに転じた銀行が多く、あとは6月下旬開催予定の株主総会をいかに乗り切るかにかかっているようだ。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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