2024年11月27日( 水 )

コロナ狂想曲とウィズ・コロナのスポーツ界

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ラグビーW杯また日本開催?

 昨日、地元福岡の経済アナリストから、連絡をいただいた。「市内の経営者との取材時に、2023年のラグビーワールドカップ・フランス大会の話題が挙がった。フランスは、新型コロナウイルスが終息することが明瞭にならない限り、開催は厳しいという姿勢のようだ。フランスが大会を開催できない場合は、日本で開催される可能性が高まっているといわれているが、本当に日本で開催できるのだろうか」という話だった。

 ラグビーワールドカップ・フランス大会の日本代表関係者にすぐに問い合わせたところ、「日本での開催は99.9%ありえない話で、信憑性は薄いです。フランスはすでに、試合会場や各国選手のキャンプ地の誘致および決定を進めているでしょう。新型コロナウイルスの感染が今後どのようになるかは、未知数ですが、フランスだけでなく世界中が大きな経済ダメージを被っていることは確実です。そのため、新型コロナウイルスで悪化した経済を立てなおす特効薬として、ワールドカップ開催が注目されるのではないでしょうか。単なるスポーツイベントではなく、国家をあげた事業になりますから、今のところフランスで開催されます」というコメントを得た。

 前述した日本代表関係者の見解が正しいと考えている。たとえイレギュラーであっても、2大会連続で同じ国(日本)が開催することはない。多くの国家が異議を唱えるにちがいないからだ。もしフランスが開催しないとなれば、ニュージーランドや南アフリカなどの強豪国が候補地として手を挙げるだろう。
 新型コロナウイルスにどれだけ振り回されるのかが焦点となる。

サッカー界も苦難続きか?

 観客動員数を5,000名に制限しながら開催しているJリーグ。各社報道は「Jリーグは8月11日に臨時の実行委員会を開き、今月末までとしていた試合会場の観客の上限5,000名について、来月6日まで延長する方針を固めた」と報じている。観客動員制限の背景には、新型コロナウイルス感染が拡大する懸念があるからだ。一部の試合は、クラブ選手やスタッフから感染者が出たため中止になっている。残念ながら、Jリーグでもコロナ禍が続いているのだ。

 他方で、悲痛な声が入ってくる。J2所属のクラブ関係者は、「先行きが不安です。収入が激減することは必至ですから。資本力のあるJ1クラブはまだ体力があるので生き残っていけるでしょう。J2で大手ブランドなどの企業がスポンサーについているところは来期以降も運営できるでしょうが、一方、ほとんどのJ2クラブは苦境下にあることは明白です。J3クラブに至ってはさらに厳しい財務状況です。国内の強豪高校サッカー部のほうがJ3クラブより資金力があると揶揄されくらいに逼迫しています」と現状の苦しさを吐露した。

 Jリーグが公開している直近のクラブ決算によると、J2は平均で売上高が16億5,400万円、当期純利益が100万円。J3は平均で売上高が4億9,300万円、当期純利益が1,600万円の赤字。

 ほとんどのJ3クラブは累積損失を抱えており、純資産は最高でも1億円で、ほとんどのクラブの資本力は純資産が数百万円、数千万円というのが現実だ。きれい事を抜きにしても、Jリーグクラブの経営破綻が発生してもおかしくない。今後の先行きも不透明で、クラブ経営において試練が続く。

 一説によると、こう述べる専門家がいるそうだ。「日本国内でスポーツ・ベッティング(賭け)の解禁を行い、経営安定化をはかる一助にしてはどうか。オンラインでの試合映像を放映する上で、投げ銭を導入するなど、時流に沿ったサービスの構築を実施することが急務」。スポーツ・ベッティングについては、今後取材を続けていく。

スポーツ界を苦しめる地上波コロナ報道

 オールドメディアを中心として連日、「本日、東京のコロナウイルス感染者数は○○○人」「福岡県のコロナウイルス感染者数は○○人」と報道されており、とくに地上波電波報道は、タイトルに付けたように「コロナ狂想曲」と表現するほどの騒ぎようだ。

 理由は感染者数を報じるならば、重傷者数、死亡者数も同列に正しく報じるべきだと考えているからだ。厚生労働省のデータによると、検査陽性者数に対して死亡者の割合は2.1%だ(8月11日現在)。もちろん死亡者がゼロになることがベストである一方で、「死亡者率2.1%」という数字は何が効果を上げているかが分からないが、世界的に見ても、ウイルスを封じ込めているという認識でもいいのではないか。

 オールドメディアが「コロナ狂想曲」で視聴率を上げても、前述したスポーツ界をはじめとした経済界を苦しめるだけだ。オールドメディアはそろそろ、「コロナ報道を見なおすとき」に来ている。

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