菅官房長官の「地銀再編発言」~九州地銀も「もう待ったなし」
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菅義偉官房長官は今月2日、自民党総裁選挙への立候補を表明した記者会見で、経営環境が厳しくなっている地方銀行について、「将来的には数が多すぎるのではないかと思う」と述べた。
翌3日午前の記者会見では、地銀の経営について一歩踏み込み、「再編も1つの選択肢になる」と指摘したうえで、地銀の経営統合を後押しするための制度も活用し、経営基盤を強化していくことの必要性について強調した。
菅官房長官は地銀再編に対して権限のある金融庁へ強い影響力をもっている。2015年、金融庁長官に「再編の急先鋒」である森信親氏を起用。通常2年の任期を延長し、異例として3年の任期を務めさせた経緯があり、森氏の退官後も金融庁は地銀再編を進める方針を変えていない。今年5月には地銀の経営統合や合併を「独占禁止法の適用除外とする特例法」が制定され、年内に実施される予定だったが、菅首相の誕生で早まることになりそうだ。
【表1】を見ていただきたい。菅官房長官が地銀の再編について記者会見した3日の九州地銀の株価(終値)の比較表である。
~この表から見えるもの~
◆東証一部・福証上場のふくおかFGは、前日比+19円の1,763円(前日比+1.09%)。
・西日本FHは前日比+5円の696円(同+0.72%)。
・北九州銀行を傘下に置く山口FGは前日比+1円の698円(同+0.14%)。
・佐賀銀行は前日比▲3円の1,279円(同-0.23%)。
・九州FGは前日比▲8円の476円(同-1.65%)。
・大分銀行は前日比▲61円の2,385円(同-2.49%)。
・宮崎銀行は前日比▲77円の2,366円(同-3.15%)。
◆福証(単独)上場の筑邦銀行は、前日比+39円の1,799円(同+2.22%)。
・宮崎太陽銀行は前日比+13円の878円(同+1.50%)。
・豊和銀行は前日比+8円の558円(同+1.45%)。
・南日本銀行は前日比+1円の747円(同+0.13%)。
・福岡中央銀行は前日比▲45円の2,520円(同-1.75%)。<まとめ>
3日の株価の動きから、投資家はふくおかFG、西日本FHを中心に九州地銀の再編を期待していることが読み取れる。今はまだゆとりのある銀行にとっても、ゆとりのない銀行にとっても、九州地銀の再編は、「もう待ったなし」の状況にあるのは間違いないようだ。【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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