2024年11月23日( 土 )

「爆買い」は終わった!ラオックスの2月の売上は2ケタ減(前)

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 免税店チェーン、ラオックス(株)の2月の売上高が、前年同月比マイナスとなった。中国人観光客の「爆買い」の恩恵を最も受けたのはラオックスだった。そのため、月次売上高がいつ前年同月比割れとなるか、「爆買い」の息切れを占う数値として、ラオックスの月次営業情報が注目されていた。その同社の2016年2月の全店売上高は、前年同月比2ケタの減少。「爆買い」は終わった。

中国人「爆買い」御用達の店

laox 「爆買い」の盟主と言えるラオックスの16年2月の国内全店(36店)の売上高は、前年同月比11%減だった。ラオックスが月次状況を開示した15年1月以降、前年割れになったのは初めてだ。「爆買い」の神風が止まった数値を意味している。

 「爆買い」が、中国人観光客の消費行動として使われるようになったのは、15年1月の正月からだ。中国人観光客が爆発的に買い物する様が驚かせた。決定的だったのは、15年2月の春節(旧正月)。中国人観光客が大勢訪れ、大量に購入した。「爆買い」という言葉がメディアに頻繁に登場するようになり、定着した。

 「爆買い」の恩恵を最も受けたのが、免税店チェーンのラオックスだ。もともとは、東京・秋葉原のパソコンの量販店だ。だが、パソコンの販売が落ち込み業績が悪化。09年に中国の蘇寧電器(現・蘇寧雲集団)の傘下に入った。羅怡文(ら・いぶん)社長の方針により、ラオックスは中国人観光客向けの免税店として再建を図ることになった。
 だが、尖閣諸島の国有化に端を発する反日感情の高まりで、中国人の訪日観光客は伸びなかった。その後、安倍晋三政権による経済政策アベノミクスを背景とする円安効果で、14年後半頃からインバウンド(訪日観光客)の神風が吹く。
 インバウンド消費を牽引したのが、中国からの観光客。15年1月にビザの要件を緩めたことから、中国人観光客が倍増した。

 ラオックスは中国の旅行会社にマージンを払って、ツアー予定にラオックスの買い物を組み込むことで、バスで乗り付ける団体客を取り込んできた。中国人御用達の免税店であるラオックスは、それこそ爆発的に買い物する中国人観光客で溢れた。

 ラオックスの15年12月期の連結決算は、売上高が前期比84.6%増の926億円、営業利益は4.9倍の85億円、純利益は6.5倍の80億円だった。中国人の来店が増加し、利幅の大きい化粧品や美容雑貨の販売が伸びた。
 15年の流行語大賞は「爆買い」。その表彰式には、ラオックスの羅怡文社長が招かれた。

(つづく)

 
(後)

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