2024年11月18日( 月 )

九州地銀の2021年3月期 第3四半期(12月期)決算を検証する (4)

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 【表1】を見ていただきたい。九州地銀17行(含むFG・FH)の2020年12月期の有価証券残高順位表である。(以下、億円以下は切り捨てて表示)

(1)    金融グループの有価証券残高順位表について
~この表から見えるもの~

◆20年12月期の有価証券残高トップはふくおかFG(3行)で前期比▲1,199億円の3兆6,779億円(同-3.2%)と減少している。
・2位は九州FGで前期比▲1,341億円の2兆827億円(同-6.1%)。ふくおかFGと同様に減少。
・3位は西日本FHで前期比+457億円の1兆3,436億円(同+3.5%)と増加している。
(2)    九州地銀17行の有価証券残高順位表について
~この表から見えるもの~

◆有価証券残高トップは福岡銀行で前期比▲67億円の2兆3,8758億円(同-0.3%)。
・2位は西日本シティ銀行で前期比+439億円の1兆3,317億円(同+3.4%)と増加。
・3位は肥後銀行で前期比▲564億円の1兆3,110億円(同-4.1%)。
・4位は大分銀行で前期比+1,487億円の1兆2,440億円(同+13.6%)と大幅に増加。
・5位は十八親和銀行で前期比▲815億円の1兆1,787億円(同-6.5%)。20年10月に合併しており、前年の計数は十八銀行と親和銀行を単純合算。
・6位は鹿児島銀行で前期比▲782億円の7,754億円(同-9.2%)。
・7位は宮崎銀行で前期比+899億円の6,849億円(同+15.1%)と大幅な増加。
・8位は佐賀銀行で前期比413億円の5,625億円(同+7.9%)。
・9位は筑邦銀行で前期比+516億円の2,302億円(同+28.9%)と大幅に増加。
・10位は宮崎太陽銀行で前期比+183億円の1,470億円(同+14.3%)と大幅に増加。
・11位は熊本銀行で前期比▲339億円の1,258億円(同-21.3%)と大幅な減少。
・12位は豊和銀行で前期比25億円の1,027億円(同+2.5%)。
・13位は福岡中央銀行で前期比151億円の925億円(同+19.7%)と大幅な増加。
・14位は南日本銀行で前期比29億円の811億円(同+3.7%)。
・15位は佐賀共栄銀行で前期比300万円の594億円(同+0.0%)。
・16位は北九州銀行で前期比127億円の492億円(同+34.9%)と大幅な増加。
・17位は長崎銀行で前期比1億5,200万円の50億円(同+3.1%)。
◆7位の宮崎銀行の20年12月期の総預金残高は前期比+1,760億円に対して、貸出金は前期比+756億円。有価証券は+899億円となっており、有価証券の運用比率が高い。
・9位の筑邦銀行の総預金残高も前期比+911億円に対して、貸出金は前期比+332億円。有価証券は516億円となっており、有価証券の運用比率が高い。

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 【表2】、【表3】を見ていただきたい。日経平均株価・ダウ平均株価推移表と九州地銀の株価推移表である。
~これらの表から見えるもの~
◆今年に入っても日経平均株価・ダウ平均株価推移表および九州地銀の株価とも順調に推移していたが、2月25日の米市場で長期金利が一時1.61%と昨年2月以来の水準に上昇。金利上昇を警戒し、ハイテク株を中心に米国株相場が下げた流れを受けて、2月26日の日経平均株価は前日比▲1,202円26銭の2万8,966円01銭(同-3.99%)と大幅な下げとなった。
◆2月26日の日経平均株価は前日比大幅な下げとなったものの、2万8,966円01銭で前年2月末比7,823円05 銭(同+37.00%)と大幅に上昇している。
◆九州に本店を置く第一地銀6行(含むFG・FH)の2月26日の株価(東証一部・福証)は、全銘柄とも前年2月末比プラスとなっている。
◆福証単独上場の九州地銀5行のうち、第二地銀4行は前年2月末比マイナスとなっているものの、第一地銀の筑邦銀行はプラスとなっている。
◆2月26日のダウ平均株価も前日比▲ 469.64ドルと2日続けての下げとなり、3万1,000ドルを割ったが、前年2月末比+5,523ドル01セントの3万932ドル37セント(同+21.74%)と大幅に上昇している。

<まとめ>
 今日から21年3月期の期末月がスタート。決算単信で発表した経営成績を達成するためには、有価証券の売却益などで調整することになる。指標となる今日の日経平均株価の始値は前日比450円を超えるプラスで始まった。はたして、残された1カ月間、各行が保有するリスクのある有価証券は期末日までにどのような動きを見せるのだろうか。

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(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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