【IR福岡誘致開発特別連載 29】橋下徹氏、IR福岡誘致開発に積極的援護弾‼️

IR福岡の誘致開発に向けて援護射撃

　3月11日の夕刻、JCI福岡主催の橋下徹氏（元大阪市長、元同府知事）を招いた講演会「インバウンドがもたらす福岡の未来と可能性」に参加した。講演内容は予想以上に素晴らしく、とても感動した。最初から最後まで、IR福岡誘致の促進の必要性を強調し、その誘致開発に向けての援護射撃で終始した。昨年に続き、これはまさにJCI福岡の彼らの戦略によるIRのプロモーションであった。

　橋下氏は、現在のIR大阪誘致開発を仕掛けた中心人物である。この緊急事態宣言解除後に行われたライブによるこの講演会では、テレビで見る通りに、オープンでストレートな姿勢と情熱的な語り口で、約1,000人の聴衆すべてを魅了したのだ。

　橋下氏の講演は、現在のカジノ法案成立までの紆余曲折を語るところから始まった。橋下氏はよく知られているように、当時から松井一郎大阪市長とは盟友である。橋下氏と松井氏が2015年頃、それぞれ市長と府知事という間柄の時に、安倍晋三前首相（当時首相）、菅義偉首相（当時官房長官）、麻生太郎財務相との会食の席で、熱い思いを持って説得したところ、この3人が当時、「どのような困難があっても、この法律は絶対に成立させる」とその場で約束してくれたと橋下氏は明かした。そのときの経緯を面白おかしく話してくれたが、ここでは支障があるので、その詳細は割愛する。

　政治の裏側はいつの時代も同様であるが、時代の先を読める人々が先行して手を打ち、新たな歴史が水面下でつくられる。筆者は、この出来事が後の「安倍トランプ密約」に発展したものだと深く確信した。菅氏と松井氏は昔から仲良しとのことであり、人と人のつながりで常に物事は動くものだと実感する。橋下氏の裏話は大変面白く、興味深い。ちなみに、高島宗一郎福岡市長もこの「グループ」に近い。

「福岡は今がチャンスだ」と橋下氏が力説

　政治の裏側を知り尽くし、IR大阪を仕掛けた張本人である橋下氏が、確信を持って「福岡は今がチャンスだ」という言葉を聴衆に投げかけたのだ。JCI福岡の若い人々が中心になって頑張ってほしい、と大きな援護射撃を送った。加えて、橋下氏は全国のIR候補地の概略も説明した上で、実際にIRを実現できるのは大阪と福岡だけだと言い切ったのである。筆者の既報の通りだ。

　その最大の理由は、福岡がもつポテンシャルの高さにある。橋下氏は、福岡が大阪と同様に都市圏人口のある「中継都市」であることを力説したのだ。筆者は「中継都市」という言葉を初めて聞いたが、橋下氏によると、我が国も含めて先進国は今後の人口増加が見込めず、その都市を通して、お金、人、物などを動かすことが非常に重要であるという。まさにその通りである。

　さらに、橋下氏は九州のゲートウェイである福岡市は、アジア諸国にもっとも近く、大阪や東京は、福岡のその優位性にはかなわないと言い切った。

　また、一部のギャンブル依存性を理由にIR誘致開発に反対する人々も、最近では理解が深まり賛成派が増えてきており、その割合は過半数を超えている。とくに、福岡の場合は、街の真ん中にある公営のボートレース場のほか、オートレース場、パチンコ、競輪場、競馬場などがすでにあるので、ギャンブルに対して抵抗力があり、ギャンブル依存症はあまり問題にならない。

　さらに、橋下氏は、「反対のための反対」派、選挙を恐れるあまりにIRに反対する政治家らを説得することは絶対にできないから、ここは民主主義の腕の見せどころであると力説した。

　九州全域のお金と物と人々の動きはすべてにおいて福岡市が「中継都市」となるので、IR福岡の誘致開発は熊本、長崎、宮崎、鹿児島などたくさんの温泉地や観光地に貢献するものであり、その「中継都市」の規模は京都に隣接する大阪市をしのぐと断言した。うれしい話ではないか。

　橋下氏は、今回の講演会がJCI福岡の招へいであっても、リップサービスをするような人物ではない。すべてにおいて本音の講演会だから、参加者にとってインパクトがあるのだ。ただし、橋下氏はIR大阪への参入を目指している米MGMリゾーツ・インターナショナルがコロナ禍の影響を受けており、今後の工程は相当に遅れる見通しであることを明快に説明した。

　筆者は今回、JCI福岡の若者らに感服した。全国の一般人、政治家、また財界人にも人気があり、知名度の高い橋下氏を招へいし、コロナの収束後を見据えて、ライブでの講演会を催したことは、"お見事"である。当地の行政、財界人は、とても頼もしい彼らを見習うべきである。

【青木　義彦】