日本生命が地銀株売却方針~ほかの大手生保も追従か
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一部報道によると、生保最大手の日本生命保険(以下、日生)は、保有する地方銀行株式の約3割を2021 年度中にタイミングを見ながら売却する方針を固めたという。すでに多数の地銀に通知済みで、一部の地銀については全株式を売却する方針が通知されたと報じている。
売却額は総額1,000億円規模の見通し。地銀を取り巻く環境がコロナ禍によって変化していることや、新たな国際規制の導入を視野に入れ、投資リスクを評価した結果、売却する方向になったとみられている。
【表1】を見ていただきたい。九州地銀における日本生命の株主割合順位表である。
~この表から見えるもの~
・1位は大分銀行で3.24%(保有株数510千株)
・2位は西日本FHで2.58%(同3,861千株)
・3位は宮崎銀行で2.56%(同441千株)
・4位はふくおかFGで2.23%(同4,271千株)
・5位は佐賀銀行で2.27%(同380千株)
・6位は北九州銀行を傘下に置く山口FGで1.76%(同4,500千株)
・7位は九州FGで1.67%(保有株数7,361千株)
・8位は唯一、第二地銀の豊和銀行で1.18%(同133千株)~この表から見えるもの~
・九州地銀(東証1部)の株価(終値)は、15日までおおむね順調に推移している様子がわかる。
・九州地銀の株価は日本生命の地銀株式売却の方針を深刻に受け止め、16日の株価は大分銀行と宮崎銀行を除き、ふくおかFGなど各行は前日比マイナスで取引を終えた。<まとめ>
日本生命は2021年度(21年4月1日~22年3月31日)中に地銀の株式を売却する方針を固めたという。【表3】の通り、日経平均株価は6日連続で上昇しているものの、地銀の株式売却について日本生命と同様の動きが住友生命、明治安田生命などのほかの大手生保にも広がる可能性があり、地銀の株価は予断を許さない状況が続くと推測される。これを機に地銀の金融再編も加速することになりそうだ。【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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