久留米絣を日常のなかで楽しむ「Kimonissimo（キモニッシモ）」～イタリア人の感性でマスクやネクタイなどを企画

　日本とイタリア・ヨーロッパ間のビジネスコンサルティング・サービスを提供するディサント（株）は、福岡県筑後地方に伝わる綿織物「久留米絣」を使って、マスクやネクタイ、ハンカチーフなどのファッションアイテムをイタリア人の感性から企画し、国内外へ紹介する「Kimonissimo（キモニッシモ）」プロジェクトを開始した。ディサントは日伊、日欧間での新事業や投資などのプロデュースや支援を行っている。

　イタリアでロックダウンが実施されてマスクが入手困難になった際、ディサント代表取締役・ディサント・ダニエレ氏はイタリアの友人に日本から布製のマスクをプレゼントしようと素材を探していたときに「久留米絣」に出会い、友人らは久留米絣のマスクを「キモノマスク」と呼んで喜んでくれたことが今回のきっかけとなった。さらに多くの人々に久留米絣を手に取ってもらえる機会をつくりたいという思いから、「久留米絣を日常のなかで楽しむ」「Kimonissimo」プロジェクトを開始した。「Kimonissimo」は、「kimono（着物）」にイタリア語で「一番の～」という意味の「～issimo」を掛け合わせた言葉だ。

　久留米絣は福岡県の筑後地方の伝統的な綿織物で、「伊予絣（愛媛県松山市）」「備後絣（広島県福山市）」とともに日本三大絣の1つとして知られる。福岡の夏の風物詩、博多山笠の法被（はっぴ）にも使われている。久留米絣は、丈夫で、夏は涼しく、冬は暖かいという綿織物ならではの特徴をもつ。さらに、水に通すほどに生地がしなやかになり、使い心地もよい。

　「Kimonissimo」では、久留米絣の定番であるブルー系やブラック系の色合いの生地を使い、ビジネスにも合わせやすい、身近な身の回りのアイテムを企画している。「Kimono Tie （キモノタイ）」は久留米絣の定番であるダーク色で無地や縞などの柄の生地を使ったもので、スーツスタイルにとても合わせやすい。「Kimono Tie （キモノタイ）」は久留米絣の肌になじむ使い心地を生かしたアイテム。「Kimono Chief （キモノチーフ）」は、吸収性に優れ、さらっとした使い心地のハンカチーフだ。

　ダニエレ氏は「日本だけでなく、私の祖国イタリアや海外の人にも、久留米絣を知ってもらう機会となることができればと願っています」と発表している。

【石井　ゆかり】