傑物・堀江貴文(ホリエモン)氏の歴史的評価の再考(3)
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仲間はパソコンを駆使する者たち
ホリエモンは、嫌なこともしっかりと次のように述べる。「私よりも年上の方々には酷なことを申し上げるかもしれないが、今からはパソコン、ネットを駆使しなければ、生きていけない。情報も取りきれずに、世の中から放逐されていく。こういう人種とは付き合いたくない。時間の無駄」と。一例として、子どもたちがまだヒット前の任天堂のゲームソフトを愛用し出したことを知った。そこで任天堂の株を買ったら一挙に値上がりしたから、売却益を握った。子どもたちとのネットワークも有しているのである。
「時間を無駄にしたくない」というのが、堀江氏の強い信条の1つである。40歳を過ぎると、同窓会の案内が増える。こういう会合には、すべて欠席する主義にしている。電話での会話も時間の無駄と割り切ることにして、メールでのやり取りしかしていない。付き合う相手は、専門の道を究めた人とか超個性的な人だけである。せっかく面識を得たのであれば、自分の啓発のために何か1つでも盗み取りしたいという貪欲な姿勢を貫いている。上記した堀江氏の信条には、賛同する一面はある。(ただ60歳半ばになれば、多少価値観の変化が生じるであろう)。
筆者は、ホリエモン疑獄を冤罪と見ている。堀江氏自身は、根本的なところでは国家に不信を抱いていると観測する。講演の初めに、『新しい情報を提供することが皆さんに求められている』と語ったことを紹介した。ネットの最先端情報を具体的に教えてくれた後に、ビットコインに関する見解を披露した。「国民が安心して信用しているから、国の通貨は使用される。冷静に考えれば、危ない面も数多くあるのに。ところが最近、ビットコインなるものが広がり始めた。既存の通貨と対等に勝負できるようになるかは、予想できない」。
そこで、具体的にホリエモンカード1,000枚を、1枚1,000円で発行した。このカードには、発行体がない。つまり誰も保証しないのに、値がつく。お世話になった友人に200枚、1枚6,000円で売った。現在、手元には740枚前後を所有しているとか。スマートフォンでホリエモンカードの時価総額を調べると、3,000万円とか。1枚3万円である。ビットコイン扱いの遊びをしながら、国家通貨を圧倒させる通貨形態を模索しているのであろうか。これは勘繰りであろう。
自分の人生を大切にして社会に尽くす
堀江貴文氏のことを『ナルシスト』と呼ぶ記者もいた。まず同氏は、健康に最優先の気配りをする。それを『ナルシスト』呼ばわりするのは筋違いである。『健康の源は歯の手入れからだ』と強調する。朝夕の神経を使いすぎるほどの歯の手入れに余念がない。さらに予防医学の団体を主宰している。学生時代に不規則な生活した反動から、現在は規則正しい生活スタイルを推奨しているのである。この健康第一義を掲げるのは、一度生を受けた以上、あらゆることを経験し学び尽くすには『健康あってこそ』という哲学に根差しているからだ。
価値観の有する人たちとは、徹底的に学び、役立つことを推進していく。若い連中には極力、起業家の道を貫くことを説いていくことを自分の使命としている。起業家になるには、他人に負けないネットツールを磨くことを推奨する。リスクを背負っていく鍛錬を自ら実践して、お手本になることも覚悟しているようである。ホリエモンの役割は、若手起業家を成功させるために、己の求道者としての極めを実践することであろう。
『パナマ文書』にみられる資産隠しの成金とは一線画す男であることは最後に強調しておく。
(了)
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