九州地銀の2021年3月期決算を検証する(2)
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【表】を見ていただきたい。九州地銀17行の2021年3月期の当期純利益順位表である。
~この表から見えるもの~
<1~10位>
1位は福岡銀行で、前期比304億2,100万円増の495億1,900万円(前期比159.3%増)と大幅な増益となった。20年3月期は貸倒引当金繰入額389億2,000万円を計上したが、21年3月期は24億8,500万円で前期比364億3,800万円減だった。2位は西日本シティ銀行で、同25億5,700万円減の148億3,800万円(同14.7%減)。貸倒引当金繰入額は同28億6,200万円増の71億1,100万円。
3位は肥後銀行で、同41億8,300百万円減の86億7,700万円(同32.5%減)。貸倒引当金繰入額は同47億3,200万円増の48億9,000万円。
4位は昨年5位の宮崎銀行。同8億5,900万円増の80億円(同12.0%増)。貸倒引当金繰入額は同3億400万円増の14億2,800万円。
5位は鹿児島銀行で、同37億7,000万円減の74億6,600万円(同33.6%減)。貸倒引当金繰入額は同83億7,400万円増の89億2,100万円。
6位は北九州銀行で、同11億8,400万円増の52億9,400万円(同28.8%増)。貸倒引当金繰入額は同3億9,000万円増の3億6,700万円。
7位は熊本銀行で、同66億1,000万円増の46億8,400万円。前期のマイナスからプラスに転じている。貸倒引当金繰入額は同67億1,100万円減のゼロ。
8位は大分銀行で、同14億6,400万円減の36億1,700万円(同28.8%減)。貸倒引当金繰入額は同18億6,300万円増の36億2,200万円。
9位は佐賀銀行で、同2,400万円増の24億6,500万円(同1.0%増)。貸倒引当金繰入額は同8億2,400万円増の24億1,800万円。
10位は十八親和銀行で、前期のマイナスからプラスに転じている。同59億7,700万円増の21億4,300万円。貸倒引当金繰入額は同43億3,000万円減のゼロ(親和銀行と十八銀行は20年10月1日に合併し十八親和銀行に)。
<11~17位>
11位は南日本銀行で、同10億5,900万円増の17億400万円(同164.2%増)。貸倒引当金繰入額は同9,700万円減の8億5,600万円。12位は宮崎太陽銀行で、1億7,600万円増の12億4,200万円(同16.5%増)。貸倒引当金繰入額は同1億7,800万円増の2億8,600万円。
13位は筑邦銀行で、同3億6,900万円増の11億6,900万円(同46.1%増)。貸倒引当金繰入額は同1,300万円増の6億1,300万円。ここまでが当期純利益が10億円超となっている。
14位は豊和銀行で、同6億8,600万円増の9億9,500万円(同222.0%増)と、大幅に増加している。貸倒引当金繰入額はゼロ。
15位は福岡中央銀行で、同2,500万円減の5億1,900万円(同4.6%減)。貸倒引当金繰入額は前期のゼロから2億7,300万円。
16位は佐賀共栄銀行で、同1億8,400万円減の3億100万円(37.9%減)。貸倒引当金繰入額は同1億6,300万円増の4億6,600万円。
17位は長崎銀行で、同2,500万円増の7,900万円(同46.3%増)と大幅な増額。貸倒引当金は同1億2,100万円減の3億7,900万円。
<金融グループ>
トップのふくおかFGの当期純利益は、同659億6,000万円減の446億4,700万円(同59.6%減)となっている。貸倒引当金繰入額は同652億2,400万円減の15億5,000万円。当期純利益が大幅に減少した要因は、前期に十八銀行の負ののれん発生益1,174億3,300万円 (特別利益) を計上したことによる。2位は北九州銀行を傘下に置く山口FGで、同4億3,400万円減の249億5,700万円(同1.7%減)。貸倒引当金繰入額は同27億8,400万円減の89億6,400万円。
3位は西日本FHで、同21億3,400万円減の180億8,800万円(同10.6%減)。貸倒引当金繰入額は同23億7,500万円増の62億1,800万円。
4位は九州FGで、同32億4,900万円減の150億1,200万円(同17.8%減)。貸倒引当金繰入額は同130億9,100万円増の142億9,900万円。
<まとめ>
日銀のマイナス金利政策、新型コロナウイルスの影響を受けて、21年3月期の決算は厳しい結果となった。4金融グループの当期純利益を見ると、ふくおかFGは十八銀行との経営統合にともなう特殊要因による大幅減があるものの、金融グループのすべてで前期比マイナスとなっている。新型コロナウイルスの感染拡大により地域経済は厳しい状況にあり、九州地銀にとっても厳しい経営環境はまだまだ続くことになりそうだ。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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