【再掲】2050年代を見据えた福岡のグランドデザイン構想(19)~都市の栄枯盛衰とアジアの都市間競争
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C&C21研究会 理事 下川 弘 氏
前回も触れたが、現在の福岡空港には、実は滑走路が2,800m の1本しかない。国内線と国際線のターミナルが別々に分かれているため、滑走路が1本しかないという事実に気づいていない人も、意外と多い可能性がある。
現在、国際線ターミナル側に、2,500m滑走路1本を新たに整備中である。これにより、多少の混雑緩和や需要の確保にはつながる可能性もある。
しかし、既存の滑走路との間隔が210mしか離れていないため、滑走路への誤進入や離発着時のトラブルなどの発生リスクは、これまで以上に高まるだろう。加えて、24時間使うことはできないのだ。2018年4月から始まった今の民営化契約では、48年までの約30年間にわたって、現行の福岡空港を使い続けることになっている。
福岡空港の民営化契約が終わる約30年先までの間に、福岡市民および福岡経済界が改めて「24時間利用可能な新・福岡空港の必要性」を提言せずに、何も対策を取らずにいたらどうなるか・・・。おそらく、その間にアジア諸国の各都市は次から次へと成長していき、あっという間に福岡はアジアにおける都市間競争から、脱落してしまうことだろう。
(つづく)
<プロフィール>
下川 弘(しもかわ・ひろし)
1961年生まれ、福岡県出身。熊本大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程を修了後、87年4月に(株)間組(現・(株)安藤・間)に入社。建築設計第一部や技術本部、総合企画本部企画部などを経て、99年1月には九州支店営業部に配属。その後、建築営業本部やベトナム現地法人、本社土木事業本部営業部長などを経て、2020年9月から九州支店建築営業部営業部長を務める。社外では99年9月からC&C21研究会事務局長(21年8月から理事)を務めるほか、体験活動協会FEA理事、(一社)日本プロジェクト産業協議会の国土・未来プロジェクト研究会幹事、(一社)防災教育指導協会顧問など数々の要職に就いている。関連キーワード
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