身の丈に合わない?バイオマス発電所建設計画
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(株)イノセント
(株)イノセントが2015年7月に設立した(同)Innocent Biomas Power(以下、イノセントバイオマスパワー)は16年7月、唐津市にバイオマス発電所を建設するとして、同市と進出協定を締結。19年7月の稼働を目指していたものの、工期が遅れ、稼働が23年10月にずれ込むこととなった。
「養豚」「販売促進」「エネルギー」の3事業展開
(株)イノセントは2004年12月に設立、畜産施設関連機器の製造販売や人工授精関連用具の販売および指導などを行う「養豚事業」、イスラエルKETER社、フランスDemavic社、イタリアMETALSISTEM社、ベルギーViyoInyternational社、ドイツWeck社製品の正規輸入・販売や自社オンラインショップにおける同社取扱商品を販売する「販売促進事業」のほか、エコエネルギーを利用した発電・売電を手がける「エネルギー事業」の3事業を展開。20年9月期には7億5,000万円の売上高を計上している。
96億円投資の「ビッグプロジェクト」
15年7月には、イノセントバイオマスパワーを設立。唐津市によるバイオマス発電用地(佐志字鴻ノ巣)の公募に応じたイノセントバイオマスパワーが約3億円で同地を購入。輸入ヤシ殻を燃料にした発電所を投資額約96億円で計画し、19年7月の稼働を目指していた。計画される発電所は出力約2万5000kW、年間発電量は約5万世帯分の年間電力消費量に相当する1億7,760万6000kWが予想され、約25名の従業員が新規雇用されると期待されていた。しかし、その後、ボイラーの冷却方法変更などにより、工期が23年10月までずれ込んでしまった。
データ・マックスは今回のバイオマス発電所事業に関しての進捗状況を尋ねるべく、イノセント代表で、イノセントバイオマスパワーの代表も務める小屋久憲氏に対し、数度にわたり取材を試みたものの、いまだ連絡がついていない状況だ。イノセントの社員によると小屋氏は「ほとんど会社に出てきていない」という。唐津市も絡む「ビッグプロジェクト」は、市民の関心も高く、適切な情報公開が必要だろう。
サガン鳥栖の運営会社役員に小屋氏が就任
21年6月5日、サッカーJ1リーグ「サガン鳥栖」を運営する(株)サガン・ドリームスは同日開催した臨時株主総会および取締役会で役員を選任。新たに5人の取締役が選任された。その取締役のなかの1人にイノセントの小屋久憲氏が名前を連ねている。
サガン鳥栖の21年1月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響による入場料収入の減少などにより、3期連続となる最終赤字を計上。債務超過額は6億9,362万円と財務体質の改善が急務となっている。なぜ、サガン鳥栖の運営会社役員に同氏の名前があるのだろうか。バイオマス発電所事業も含め、今後の動向が注目される。
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