九州地銀トップの経歴から見えるものとは?~問われる先見性と器の大きさ
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【表】を見ていただきたい。九州地銀(17行)トップの経歴表である。九州地銀17行のうち、トップ交代は西日本フィナンシャルホールディングス(FH)だけだった。
西日本FHは6月29日開催の株主総会後の臨時取締役会で、村上英之取締役執行役員(60歳)を社長に選任。傘下の西日本シティ銀行も取締役専務執行役員から頭取に昇格した。西日本FHの社長交代は2016年の設立以来、初めて。西日本シティ銀行の頭取交代は7年ぶりとなった。
04年の旧西日本銀行と旧福岡シティ銀行の合併以来、旧大蔵省(現・財務省)出身の頭取が続いており、旧西日本銀行の村上氏が初の生え抜きとなる。記者会見に臨んだ村上氏は「グループ企業も含めた総合金融力や中小企業育成の伝統を踏まえ、社会変化に対応したい」と抱負を述べた。
西日本FHと西日本シティ銀行の会長を兼務する久保田勇夫氏(78歳)は、FHの会長職は留任する一方、銀行では取締役に退く。谷川浩道FH社長(68歳)は、西日本FHと西日本シティ銀行の代表権のある副会長に就任する。
九州地銀17行のうち、プロパーが頭取となっているのは、福岡銀行の柴戸隆成頭取や今回新任された西日本シティ銀行の村上頭取を含め11行。親密行から頭取を迎えている銀行は、福岡中央銀行や筑邦銀行など5行。旧大蔵省(現・財務省)出身者が頭取となっているのは佐賀共栄銀行の1行だけとなっている。
取締役就任年数が一番長いのは、06年6月、大蔵省から詔勅された西日本シティ銀行の久保田氏。6月に同行代表取締役から取締役となったものの、西日本FHの代表取締役会長を兼務しており、通算役員在席年数は8月1日現在で15年1カ月となっている。
次が筑邦銀行の佐藤清一郎頭取。日本勧業銀行(現・みずほ銀行)出身で、09年6月から通算12年1カ月。以下、大分銀行のプロパーの姫野昌治代表取締役会長が通算11年2カ月、豊和銀行の三和銀行(現・三菱UFJ銀行)出身の権藤淳頭取が12年6月からの9年1カ月となっている。
まとめ
この経歴表から旧態依然とした銀行も見受けられる。マイナス金利政策の長期化や新型コロナウイルスの感染拡大などで九州地銀の経営環境は厳しさを増している。
どの銀行および金融グルーブと経営統合して生き残りを図るべきか。それを決断するのは経営トップ個人の先見性であり、今まさに、その器の大きさが問われているといっても過言ではないだろう。
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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