2024年11月18日( 月 )

「九州地銀トップの経歴から見えるものとは?」に対する読者からのご意見に対しての著者の回答

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 NetIB-Newsでは、読者のご意見を積極的に紹介し、議論の場を提供していきたい。今回、「九州地銀トップの経歴から見えるものとは?~問われる先見性と器の大きさ」を見た読者から下記のご意見が寄せられたため、筆者である当社顧問の浜崎裕治の回答を示す。

   読者からのご意見を以下に掲載する。

 「九州地銀トップの経歴から見えるものとは?」の記事内で、親密行から頭取を迎えている銀行として筑邦銀行を挙げているが、佐藤頭取の祖父は筑邦銀行の初代会長であるし、父親も副頭取であったことを考えれば、親密行から迎え入れているというよりもむしろ、満を持して家業を継いだと考える方が適切であると考える。

 まとめの冒頭、経歴表から旧態依然とした銀行も見受けられるとの結論を述べているが何をもって旧態依然と考えるのかがまったくもって示されておらず、小学生の読書感想文よりも酷いまとめだと感じた。

 ほかの記事も含め、プロパーが正義で大蔵省や親密行の出身は悪のようなスタンスを取られているようだが、プロパー役員の反対を押し切って取った戦略で業績を回復させ、地方銀行として独自の存在感を示している佐賀共栄銀行の二宮頭取の例からも分かる通り、余所者だからこそ成し遂げられる改革もあり、どこの出身であるかではなく、何を成したかをしっかりと評価・分析すべきではないか。

 出身をならべ、表面を撫でた程度の偏見的な私見からは、ライターの未熟さ浅はかさしか感じられず、こんなレベルの記事を堂々とアップするメディアには存在価値を感じない。

◆上記のご意見が提示する主な内容は次の2点。
(1)「佐藤頭取の祖父は筑邦銀行の初代会長であるし、父親も副頭取であったことを考えれば、親密行から迎え入れているというよりもむしろ、満を持して家業を継いだと考える方が適切」
(2)「地方銀行として独自の存在感を示している佐賀共栄銀行の二宮頭取の例からも分かる通り、余所者だからこそ成し遂げられる改革もあり、どこの出身であるかではなく、何を成したかをしっかりと評価・分析すべき」

<筆者の回答について>
◆筑邦銀行は福岡証券取引所に上場している地方銀行である。一般の企業とは異なり地域経済を担う金融機関として公共性を有する。家業であるとの認識は通用しないと思われる。佐藤清一郎頭取が「家業」として頭取を続け、生き残りをかけて金融統合の動きを見せないのであれば、それこそが株主に対して問題ではないだろうか。
◆佐賀共栄銀行は経営が厳しい状況だったため、二宮氏は、財務省の先輩である山本孝之頭取から誘われ後任の頭取に就任。九州地銀17行のうち一番厳しい状況にあり、生き残りをかけ他行との金融統合を模索することが、今こそ、二宮頭取に求められているのではないだろうか。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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