小笹に建設中のマンションで紛争(1)建築主の田中構造設計が住民無視、反対住民は仮処分申立て
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福岡市中央区小笹に建設中の賃貸マンション「アイズ小笹」に関して、十分な住民説明を行わず強引に着工した建築主と近隣住民の間で紛争が生じている。近隣住民側が福岡市議会を通じて請願を提出、工事の差し止めを求める仮処分を福岡地裁に申し立てる事態となっている。
近隣住民との間で問題となっている建設中の賃貸マンションは福岡市中央区小笹の「アイズ小笹」(鉄筋コンクリート造11階建て、全30戸)建築主・設計者・工事施工者とも(株)田中構造設計(福岡市南区大楠3-12-26 代表取締役田中忍氏)となっている。建設反対の中心となっているのは、北隣に建っている分譲マンション「クレスト小笹」(10階建て)の区分所有者ら。アイズ小笹建設現場とクレスト小笹の間には築60年程度と見られる石積みの擁壁があり、擁壁上部はコンクリートブロックとなっている(アイズ小笹建設現場のほうが3mほど高い)。
市の条例に沿った事前説明が実施されていない
福岡市では、中高層建築物等の建築にともなう建築紛争を未然に防止するために「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」を制定しており、建築主などに標識の設置や計画概要等の事前説明などを義務づけ、市による調整や調停委員会による調停制度も設けている。標識設置や事前説明が必要な建築物は、高さが10mを超える中高層建築物やワンルーム形式集合建築物となっている。
建築主の田中構造設計は、住民説明会を数回開催しており、4回目の説明会を2月25日(木)に設定した。近隣住民はそれまでの説明会で田中構造設計に提示した課題について返答を聞くことを求めており、開催日を土日に変更するよう要望を出したが、聞き入れられず、参加を希望する近隣住民の多くが参加できないまま、25日に開催された。1回目の説明会では、アイズ小笹と別件である城南区松山(建築中止となった計画)の書類の宛名だけを変えた案内文を配布し、説明会の開催場所も小笹から程遠く車でなければいけない南区の長丘公民館を指定しており、住民に対する誠意は感じられない。
(つづく)
【桑野 健介】
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