ビタミンB12を多く摂取する人ほど、食道がんのリスクが上昇
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ビタミンB12を多く摂取する人ほど食道がんにかかりやすいことが、(国研)国立がん研究センターが16日公表した研究結果からわかった。
研究(コホート研究)は、1995年と98年に全国9地域に在住していた45~74歳の男女8万7,053人を対象に実施。2015年まで追跡した結果、332人が食道扁平上皮がん、17人が食道腺がん、78人が分類不能の食道がん(合計427人)を発症した。
研究グループは、ビタミンB群(ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸)、メチオニン(アミノ酸の1種)の摂取量と、食道がんの発症リスクとの関連性を分析。その結果、ビタミンB12の摂取量が多い人ほど、食道がんの発症リスクが高くなることが判明した。
さらに、アルコールの摂取状況によって対象者を分けて分析したところ、飲酒の習慣のない人では、ビタミンB12とメチオニンの摂取量が多い人で食道がんの発症リスクが高くなった。
ビタミンB12もメチオニンも、アルコール摂取により吸収不良が起こると指摘されている。飲酒の習慣がない人ではアルコールによる吸収不良が起こらず、ビタミンB12やメチオニンの摂取量が多い人ほど、食道がんが発症しやすくなると考察している。
一方、ビタミンB6と葉酸については、食道がんとの関連性は見られなかった。
細胞を用いた実験では、ビタミンB12によるDNAメチル化の異常が、食道扁平上皮がんに関与することが示唆されている。研究グループでは、ビタミンB12を多く摂取することでDNAの合成やメチル化に影響を与え、発がんにつながる可能性が考えられるとしている。
【木村 祐作】
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