2024年12月26日( 木 )

小笹に建設中のマンションで紛争(5)田中構造設計「アイズ小笹」に関する福岡市の回答

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 アイズ小笹(建築主・設計者・施工者:田中構造設計)建設に関して、福岡市住宅都市局建築指導部 開発・建築調整課および建築指導課への当社からの質問に対して、担当部署より回答が届いたため、掲載する。

(以下、質問および回答)


   貴社からの質問に対しまして、下記の通り回答いたします。

<福岡市>
〇当該問題に係る所管課について
・建築物や擁壁等の工作物にかかる施工計画や施工状況等の確認については、特定行政庁である建築指導課が所管となります。
・紛争予防条例などに基づく対応については、開発建築調整課が所管します。
・引き続き、各所管課が内容に応じて適切に対応していきます。

問1 市議会福祉都市委員会において、請願(3年請願第8号「マンション建築の指導について」)に対して、「双方の話し合いによる解決を得られるよう調整を図っていく」ことが決定されています。具体的にはどういう方法で調整を図っておられますか。

問2 アイズ小笹の建築主・設計者・施行者である田中構造設計に対する指導は行われましたか。指導をされたのであれば、その内容を教えてください。

<回答>
【 開発・建築調整課 】
 ※問1および2につきましては併せて回答いたします。
 近隣住民の要望などを建築主へ伝え、調整を行ってきたところです。
 具体的には、建築主に対し
・説明会の日程を近隣住民の要望に応じた日程とすること
・近隣住民の要望について配慮できる点がないか検討すること
・近隣住民と約束した事項を履行すること
・引き続き話し合いをもつこと
など、指導・調整を行っています。

問3 田中構造設計に対して指導をされていないのであれば、その理由を教えてください。

<回答>
 上記の通り指導を行っています。

問4 田中構造設計からクレスト小笹の住民に対する事前説明は適正に行われたと判断されていますか。

<回答>
【 開発・建築調整課 】

 面談による説明や数回の説明会が行われ、また、説明会に参加されなかった近隣住民に対しては、問い合わせ先を記載した説明資料が投函されており、条例に基づく事前説明が行われていると考えています。

アイズ小笹建設現場
位置関係

問5 田中構造設計から工事取り止め書を提出後、再度、事前説明報告書を市に提出した際、工事取り止めから事前説明終了の経緯などの詳細を聞き取りされましたか。もし、詳しい事情を聞き取りされていなかったのであれば、その理由を教えてください。

<回答>
【 開発・建築調整課 】

 複数回にわたり、建築主より経緯について聞き取りを行っています。

問6 アイズ小笹の建設後、北隣のクレスト小笹の日照権は確保されると判断されますか。

<回答>
【 開発・建築調整課 】

 今回の計画地の北側は、建築基準法の日影規制のない近隣商業地域となっており、指定確認検査機関から、今回の建築計画は建築基準法の規制には適合していると聞いています。

福岡市開発・建築調整課による現地視察
福岡市開発・建築調整課による現地視察

問7 アイズ小笹とクレスト小笹の境界の擁壁にひび割れや膨らみ、破片の落下などの現象が発生していますが、工事中や竣工後も安全だと判断されますか。

問8 「擁壁の安全性が確認できない」のであれば、市としてどのような是正を指導されるのか教えてください。

<回答>
【 建築指導課 】 
※問7および8につきましては、併せて回答いたします。
 既存擁壁については、施工状況や安全性などに関する建築主の所見を求めており、この内容を踏まえると、現状において緊急の措置が必要な状態ではないと判断しています。
 引き続き、状況を注視しながら適切に対応していきます。


   福岡市の担当部署である開発・建築調整課と建築指導課からの回答は上記の通りである。石積み擁壁が膨らみ上部のブロック塀が割れて破片が駐車場に落下している現状を見て、「緊急の措置が必要な状態ではないと判断」というコメントには驚くばかりである。担当の市職員が このマンションに居住しているとした場合、同じ回答ができるであろうか。

 福岡市には、市民の目線に立ち、近隣住民の生活権を確保できる対応を図ることを期待したい。

(つづく)

【桑野 健介】

▼関連サイト
毀損したマンション資産の価値を取り戻すニュース

(4)
(6)

関連キーワード

関連記事