【IR福岡誘致開発特別連載62】コロナ禍後の経済再生「IRは効果的かつ重要」
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11日、岸田首相は衆議院で初めてとなる代表質問に臨んだ。そのなかで、IR誘致開発事業については、「今後、我が国が観光先進国になるうえで、大変重要な取り組みである」として、必要な手続きを適切に進めると答弁している。質問者は立憲民主党の辻元清美議員である。
同議員は、以前から問題としていた「ギャンブル依存症」増加への懸念と今回のコロナ禍によりMICE施設を含めた巨大なIR(カジノを含む統合型リゾート施設)のようなものは廃れていくのではないか?と問い掛けたのだ。これはギャンブル依存症の拡大という点を除き、誠に正しい判断にもとづいた質問である!
筆者は、コロナ禍前から、本件IR誘致開発事業プロジェクトは、東京都中心の関東都市圏か、大阪市中心の関西都市圏か、福岡市中心の北部九州都市圏の3カ所しか絶対に採算が合わないと説明し続けている(名古屋市中心の中部都市圏は文化が異なる)。
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【IR福岡誘致開発特別連載59】IR長崎、メディアの報道に耳を傾けるべきさらに今回の世界的なコロナ禍で、それを嫌という程、分からされており、辻元議員が指摘する通りである!
要は、インバウンドによる「海外観光客」、すなわち「ギャンブル好きの『中国の超富裕層』ハイローラー(ハイローラー:高額な賭けでカジノを楽しむ人)』」を見込んで作成した計画が崩壊、廃れていくことは間違いない。昨年から、香港マカオの富裕層に対する中国・習近平政権からの抑えこみがもの凄い勢いで加速しており、これを恐れた彼らの海外への資金・資産の移動が凄まじい。この動きに対し、それを規制する「逃亡犯条例の改正」すなわち、金持ちがこれらに違反したら、逮捕され、中国本土に送られるようになり、資産さえ没収されかねないという現状なのだ。
さらに、中国本土の富裕層も「海外カジノ観光規制」で、マカオ以外でのカジノ施設利用が法律により規制される。従って、IR長崎やIR和歌山には、当初集客を見込んでいた中国富裕層のカジノ観光客が法的に来られなくなるのである。
さらに、香港・マカオだけにある特殊なカジノ関連事業者「ジャンケット企業」(ハイローラーを管理する企業)と、直接のカジノ事業者(SJM.Melcoなど)についても、中国・習近平政権はこれらを取り込み、近く国営化しようという動きになっている。前者は先日IR長崎で問題となったOshidori International Developmentなどである。
カジノ関連企業も、カジノ客も、中国本土や香港・マカオからは、資金の一切を外へ出さないと締め付けているのだ。従って、長崎県行政や、その他、地方の関係者がいまだに、本件IRを実行しようとしていることは、誠に愚かなことなのだ。
長崎県の人口は五島や壱岐・対馬までの離島を含めて約131万人(2020年)、このような国際情勢のなかで、本件集客計画である年間840万人を予定するなど、まさに「絵に描いた餅」である。岸田首相も安部・菅政権を積極的に継承はするものの、当初からのIR誘致開発推進の大義名分は「海外観光客」インバウンド3,000万人が目的と回答せざるを得ないのだ。
本件、IR誘致開発推進事業は、あくまで米国IR企業誘致が目的で、コロナ禍に関係なく、前述の大都市での誘致開発が対象(巨大な後背地人口が必須)なのである。従って、IR事業にとっては、そこに住む日本人が主体であり、海外観光客はあくまでプラスアルファの存在なのだ。
ただし、その経済、雇用効果は他に類を見ない!富裕層からの税収は、コロナ禍後の経済再生にとって格差解消への好循環につながるものである。その意味では辻元議員の質問と判断は正しい!地方の中堅都市ではIRは絶対に実現しないのである。
【青木 義彦】
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