2024年11月18日( 月 )

九州地銀(17行)の21年9月期(中間)決算を検証する (2)

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【表1】は九州地銀17行(含むFG・FH)の2022年3月期第2四半期(9月期)の中間当期純利益順位表である。
~この表から見えるもの~
◆九州地銀17行のうち、6割を超える11行の当期純利益が増益となっている。
(1)    新型コロナウイルスの影響が想定を下回ったことによる信用コスト(貸倒引当金など)の減少
(2)    堅調な金融市場を背景にした有価証券利息収入および売却益の増加
(3)    投資信託販売やコンサルティング業務の手数料収入の増加などが主な増益要因となった。

<金融グループの当期純利益順位表>
◆1位はふくおかFG。2021年9月期の親会社に帰属する中間当期純利益は前年比16億8,400万円の279億4,800万円(同+6.4%)。経常利益は前期比増益。売上高に当たる経常収益はマイナス。
・2位は西日本FH。当期純利益は前年比+62億1,100万円の156億5,500万円(同+65.8%)と大幅な増益。経常利益は前期比大幅な増益。経常収益もプラス。
・3位は九州FG。当期純利益は前年比+23億1,000万円の115億3,300万円(同+25.0%)と大幅な増益。経常利益も前年比大幅な増益。経常収益はマイナス。

<九州地銀17行の当期純利益順位表>
◆1位は福岡銀行で前年同期比▲4億2,800万円の278億2,500万円(同-1.5%)。
・2位は西日本シティ銀行。前年比+60億4,200万円の138億4,500万円(同+77.4%)と大幅な増益。
・3位は鹿児島銀行。前年比+12億3,900万円の62億4,600万円(同+24.7%)。
・4位は肥後銀行。前年比▲8億2,300万円の55億7,600万円(同-12.9%)。グループ傘下の鹿児島銀行に後塵を拝している。はたして、下期に巻き返しなるか注目したい。
・5位は十八親和銀行。前年比+37億5,500万円の54億4,900万円(同+221.7%)と大幅な増益。その要因は2020年10月に親和銀行と十八銀行が合併して十八親和銀行となったことによる。継承銀行は親和銀行で昨年の順位は7位。十八銀行は13位だった。
・6位は大分銀行。前年比+22億100万円の36億600万円(同+156.7%)と大幅な増益。
・7位は宮崎銀行。前年比▲13億3,900万円の27億7,600万円(-32.5%)と大幅な減益。
・8位は熊本銀行。前年比▲2億7,100万円の21億7,800万円(-11.1%)。
・9位は佐賀銀行。前年比+7億3,500万円の20億6,400万円(+55.3%)と大幅な増益。
・10位は北九州銀行。前年比+2,800万円の15億3,300万円(+1.9%)。
・11位は南日本銀行。前年比+3億6,300万円の14億2,300万円(+34.2%)と大幅な増益。
・12位は宮崎太陽銀行。前年比▲1億700万円の9億300万円(-10.6%)。
・13位は豊和銀行。前年比+1,500万円の8億8,000万円(+1.7%)。
・14位は佐賀共栄銀行。前年比+1億9,100万円の5億3,500万円(+55.5%)と大幅な増益。昨年17位だったが14位に順位を上げている。
・15位は筑邦銀行。前年比+500万円の4億9,200万円(+1.0%)。
・16位は福岡中央銀行。前年比▲3,100万円の4億200万円(-7.2%)。
・17位は長崎銀行。前年比+4,400万円の1億800万円(+68.8%)。昨年は同行だけが1億円を割っていた。

<まとめ>
 2016年から始まった日銀のマイナス金利政策は長期化しており、いまだ出口は見えない。昨年来のコロナの影響でダメージを受けた九州経済の回復には不透明感が漂っている。
 2022年3月期の通期予想については慎重な見方をしている銀行が多いなか、収益の回復は、【表2】から見えるように、「新型コロナウイルスが終息に向かうかどうかにかかっている」といっても過言ではないようだ。

【表1】九州地銀の2021年3月期 第二四半期(9月期)の親会社に帰属する中間当期純利益について
【表1】九州地銀の2021年3月期 第二四半期(9月期)の親会社に帰属する中間当期純利益について
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【表2】47都道府県の新型コロナウイルス感染者数順位表
【表2】47都道府県の新型コロナウイルス感染者数順位表
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(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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