能動的に動ける人材を育成 常識にとらわれない動きで企業成長を
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リョーユウ工業(株)
代表取締役 諸石 裕 氏社員の「自走」の精神を引き出す
顧客からのオーダーを図面に起こし、それを実現するこの業界では指示待ち人間が生まれてしまいやすいと、糟屋郡宇美町で金属加工業を手がけるリョーユウ工業(株)の諸石裕氏は懸念していた。
技術力を高めていくことももちろん重要だが、企業の淘汰が進みゆく時代では差別化を図れなければ生き残れない。そこで諸石氏が目をつけたのが「自走」の精神だ。自ら考え、自ら動く。ただ指示を待つだけの人間ではなく、仕事に付加価値を与え、能動的に仕事を生み出していける人材の育成をすべきだと気がついた。
その育成のための具体的な施策として始まったのが「委員会制度」だ。社員を7つのグループに分け、それぞれに予算を分配。当初は「自分が欲しいと思うものをつくる」という社内向けのものだったが、今年からは「売れると思うものをつくる」という、よりビジネスに近いミッションへ変化した。
1つの委員会は、メンバー自らが企画・デザイン・製作を行いクラウドファンディングに出品。また、ふるさと納税返礼品として登録するなど、今までにない商流(BtoC)をつくり出した。別の委員会は、2年ぶりに開催された「モノづくりフェアー」に出展。こちらも、委員会のメンバーで展示品からブースの装飾、来場者への対応まで行い、盛況のうちに終えた。このような社内の活動情報を、SNSを活用し発信する委員会もあり、「自ら考え、動く!」「自走」する精神が確実に養われてきていると感じる。育成のために始めた委員会活動は、社員のスキルアップの場となり、SNSなどインターネットを使った広報活動は、今後の営業活動に大きく貢献するだろう。
若手社員との接し方
もう1つ、諸石氏が重要視するのが若手とベテランの距離だ。同社には技術をもったベテランの職人が多く所属する。入社したばかりの若手はベテランとともに仕事をするようになるのだが、その若手への指導の仕方に困惑する社員は多い。諸石氏はそのような社員に向けて社内勉強会でも話をしている。育った環境も受けた教育も異なる若手には自分たちの常識や感覚が通用しない。それを頭に入れたうえで接していけば、正面から相手に向き合うことができ、人間関係もうまく構築されていく。
「社内になんでも相談できると思える相手が1人はいるといえる会社をつくっていきたいです」(諸石氏)。まだ技術で成果を上げられない若手にとって、小さな成長で喜んでくれるのが社内の人々だ。「ここで働けて良かった」と思える雰囲気づくりが会社の成長を導いてくれる。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:諸石 裕
所在地:福岡県糟屋郡宇美町障子岳南5-3-5
設 立:1972年6月
資本金:1,000万円
TEL:092-933-6811
URL:https://ryo-u.com/
<プロフィール>
諸石 裕(もろいし ゆう)
1971年生まれ。95年4月同社に入社。99年3月代表取締役社長に就任。自社サイトにてブログを不定期に更新している。趣味はドライブ。関連キーワード
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