時代のニーズに応える建材供給で地域の住まいづくりに貢献
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(株) キユーハウ 代表取締役社長
岩永 彬 氏いち早く「プレカット加工」を導入し飛躍
「地域社会のより良い住まい造りへの奉仕」を掲げ、住宅建設に関わるあらゆる素材を工務店や建設会社にジャスト・イン・タイムに供給する(株)キユーハウ。1957年1月に「福岡ベニア商会」として創業、61年4月に株式改組して以来、地元の信頼と実績を積み重ね、いまや九州一円で事業を展開する福岡の老舗住宅建材・住宅機器販売業者である。
同社の発展の契機となったのが、前社長・岩永清氏(現会長)による89年の木材プレカット加工の導入。大工が現場の手作業で行っていた木材加工を、工場のコンピューター制御機械で行うというものだ。当初は「大工各人の職人技が発揮できなくなる」と反発も受けた。だが、住宅の品質の安定と工期短縮による大幅コストダウン、さらには建設現場で発生する騒音・粉塵の低減にも寄与する同工法は、次第に世に認められるところとなっていった。
2002年に自社プレカット工場を新設、07年にはパネルプレカット工場を増設して、顧客の要望や条件にきめ細やかに対応する体制を整える。社内に配送部門を設け、「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ配送する物流システム」も確立した。こうして同社の業績は拡大、いまや傘下に4つのグループ会社を擁する業界のリーディングカンパニーに成長している。「会長・清の先見の明、この一言に尽きます。会長の将来を見越した経営戦略があったからこそ、当社のいまの堅調さがあるのです」――20年前に30歳の若さで代表取締役社長に就任し、父である会長とともに同社を牽引してきた岩永彬氏は、謙虚な面持ちで、だが誇らしげにそう語る。
老舗地場企業としての強みを生かして
戸建住宅市場は東京五輪後に一挙に冷え込むと予測されていたが、突如世界を襲ったコロナ禍はその予測を覆すことになった。すなわち、外出自粛やテレワークの増加でプライベート空間への関心が高まり、戸建住宅の需要がむしろ拡大したのである。「低金利政策や築30年以上の建て替え需要などで戸建住宅のニーズは安定しています。おかげさまで当社の受注は安定、営業実績も順調です」(岩永氏)。
とはいえ、岩永氏はあくまで冷静に状況を見据えている。「当社が売上高を維持しているのには、原油価格の高騰による木材不足とそれに伴う価格高騰、いわゆる『ウッドショック』の影響も大きい。アジアの玄関口であり人口増も続く福岡市はたしかにプラス要素が多いですが、そのぶん東京や大阪の大手同業他社の進出も活発で、当社も経営戦略を刷新していかねばなりません」(同氏)。
「当社の持ち味・強みを生かし、いつまでも選ばれる企業であるよう研鑽を積んでいきたいです」と話す岩永氏。実際、九州の風土や心性に寄り添う住宅やサービスを提供できる企業として、65年の長きにわたり「地元密着」を貫いてきた同社の存在感は今後も増していくはずだ。先代から受け継いだ「先見の明」が今後どのように発揮されるか、期待が膨らむ。
<COMPANY INFORMATION>
代 表:岩永 彬
所在地:福岡市東区箱崎ふ頭4-3-5
設 立:1961年4月
資本金:4,500万円
TEL:092-631-3781
URL:http://www.kyu-hou.co.jp/
<プロフィール>
岩永 彬(いわなが あきら)
1971年福岡市生まれ。山口大学経済学部卒。大手ハウスメーカーに勤務した後、(株)キユーハウに入社。60歳を契機に引退した父・清会長(現職)の後を継ぎ、2001年に30歳で代表取締役社長に就任。(一社)福岡県木造住宅協会(FBN)事務局担当として、国産木材の活用にも貢献している。法人名
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