山口FGの22年3月期決算~当期純利益135億円の赤字予想
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山口フィナンシャルグループ(FG)は2月28日、下表の通り、2022年3月期の連結業績予想の当期純利益を135億円の赤字に下方修正したと発表した。従来予想の260億円からの増減は▲395億円の赤字に転落する。
赤字の要因は含み損を抱える有価証券を圧縮してポートフォリオを再構築するため、今年1~3月で250億円程度の有価証券売却損の計上を予定しているほか、新型コロナウイルスの感染拡大に加え、最近の資源・エネルギー価格高騰による取引先への影響を考慮し、貸倒引当金を予防的に180億円程度積み増すことや、山口FG傘下「保険ひろば」の株式取得に関連した減損処理として、特別損失約19億円を計上することなどをあげている。
山口FGの当期純利益の赤字は設立直後の07年3月期以来、15期ぶりとなる。経常利益も380億円の黒字から▲75億円の赤字に修正している。
なお、2021年3月期の当期純利益は前期比-4億3,400万円の249億5,700万円(前期比-1.7%)。経常利益は前期比+3億6,300万円の369億6,500万円(+1.0%)だった。
◆山口FG傘下の3行(山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行)の業績予想について
・山口銀行の当期純利益の予想は当初225億円だったが、30億円と大幅に下方修正している。経常利益は300億円から65億円に下方修正。
・もみじ銀行の当期純利益の予想は65億円だったが、▲68億円と赤字に転落する。また経常利益も78億円から▲82億円の赤字予想となっている。
・北九州銀行の当期純利益の予想は35億円だったが、1億円と大幅な減額修正。また経常利益も48億円から14億円と大幅な下方修正。<まとめ>
【表1】は九州の3金融グループの2022年3月期(連結)の当期純利益(予想)順位表である。
ふくおかFGは2022年第三四半期の決算単信を山口FGと同じ2月4日(金)に発表。西日本FHは2月7日(月)。九州FGは2月14日(月)に発表している。しかし、山口FGは2月4日に「収益予想に変更はない」と発表してからわずか1カ月足らずの2月28日、赤字の修正決算を発表した。
【表2】の通り、3月1日の日経平均株価は大幅に上昇。しかし、【表3】の通り、九州地銀の株価は全銘柄が下落している。とくに赤字決算を発表した山口FGの3月1日の株価は、前日比▲17円の697円(同比-2.38%)と大幅に下落。2020年3月31日の株価612円より上昇しているものの、610円だった西日本FHは810円となっており、100円を超える差がついているのが目に付く。山口FGの赤字決算の発表が今後、他の地銀へ影響を与えるのかどうかを注視していくことにしたい。下記は山口FGが2月4日に発表した2022年3月期の連結業績予想である
【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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