九州地銀の2022年3月期　第3四半期（12月期）決算を検証する　（6）

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2022年3月14日 10:30

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【表1】を見ていただきたい。九州地銀17行（含むFG・FH）の2022年3月期の当期純利益（予想）順位表である。
（1）金融グループの当期純利益順位表について
～この表から見えるもの～
・22年3月期の当期純利益（予想）1位はふくおかFG（3行）で前期比34億8,100百万円増の530億円（同比+7.0％）を予想している。20年10月1日に親和銀行と十八銀行が合併して十八親和銀行が発足し傘下行は3行。21年12月期で達成率は83.3％。
・2位は西日本FHで前期比54億1,200万円増の235億円（同+29.9％）と大幅な増益予想。21年12月期で達成率は85.3％。
・3位は九州FGで前期比▲1,200万円の150億円（同比-0.1％）。21年12月期で達成率は97.6％。
・参考で記載した山口FGは、2月4日に12月期の決算単信を発表したが、2月28日に22年3月期の減額修正を発表。経常利益は380億円の黒字から75億円の赤字予想。また当期純利益も260億円の黒字から135億円の赤字予想に修正した（いずれも連結）。

（2）九州地銀17行の当期純利益順位表について
～この表から見えるもの～
◆22年3月期の当期純利益（予想）の1位はふくおか）FG傘下の福岡銀行で前期比55億8,100万円増の551億円（同比+11.3％）。21年12月期で達成率は78.4％。
・2位は西日本FH傘下の西日本シティ銀行で前期比56億6,200万円増の205億円（同比+38.2％）。21年12月期で達成率は84.1％。
・3位はふくおかFG傘下の十八親和銀行で69億5,700万円増の91億円（同比+324.6％）。合併の効果が出ている。21年12月期で達成率は88.1％。
・4位は九州FG傘下の肥後銀行と鹿児島銀行。肥後銀行は前期比▲11億7,700万円の75億円（同比-13.6％）。21年12月期で達成率は95.4％。鹿児島銀行は前期比3,400万円増の75億円（同比+0.5％）。21年12月期で達成率は106.8％とすでに達成済み。両行の当期純利益を注視したい。
・6位は宮崎銀行で前期比▲5億9,500万円（同比-7.4％）。21年12月期で達成率は78.6％。
・7位は大分銀行で前期比11億85百万円増の48億円（同比+32.8％）と大幅な増益予想。21年12月期で達成率は109.1％とすでに達成済み。
・8位はふくおかFG傘下の熊本銀行で前期比▲4億8,400万円の42億円（同比-10.3％）。21年12月期で達成率は91.9％。
・9位は佐賀銀行で前期比7億3,500万円増の32億円（同比+29.8％）と大幅な増益予想。21年12月期で達成率は115.6％とすでに達成済み。
・10位は南日本銀行で前期比▲8億400万円の9億円（同比-47.2％）と大幅な減益予想。21年12月期で達成率は221.3％。
・11位は豊和銀行で前期比▲2億6,500万円の7億3,000万円（同比-26.6％）。21年12月期で達成率は211.2.％。
・12位は宮崎太陽銀行で前期比▲5億42百万円の7億円（同比-43.6％）と大幅な減益予想。21年12月期で達成率は238.1.％。
・13位は福岡中央銀行で前期比8,100万円増の6億円（同比+15.6％）。21年12月期で達成率は114.8.％。
・14位は筑邦銀行で前期比▲6億3,400万円の5億3,500万円（同比-54.2％）。21年12月期で達成率は119.1.％。
・15位は佐賀共栄銀行で前期比▲1億100万円の2億円（同比-33.6％）。21年12月期で達成率は397.5.％。大幅な増益を達成している。
・16位は西日本FH傘下の長崎銀行で前期比1億100万円増の1億8,000万円（同比+127.8％）と大幅な増益予想。21年12月期で達成率は143.9.％。増益を達成している。
・17位は山口FG傘下の北九州銀行で前期比▲51億9,400万円の1億円（同比-98.1％）。2月28日に減額修正を発表し最下位に転落している。

＜まとめ＞
　22年3月期の当期純利益（予想）は減額修正した北九州銀行と筑邦銀行を除き、第一地銀が上位を占めている。第二地銀は熊本銀行を除き、当期純利益は減額修正して10億円以下を予想。経営は厳しい状況にあるものの、九州地銀の21年12月期の当期純利益の22年3月期の当期純利益に対する平均達成率（北九州銀行を除く）は89.1％となっており、決算修正がなければ、全行が当期純利益を達成する可能性は高いものと推測される。