2024年12月24日( 火 )

【深層検証・山口FG(2)】山口FGの役員人事~「露骨な粛清」との声も

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山口フィナンシャルグループ「まさか、ここまでやるとは…。」

 3月28日に発表された山口フィナンシャルグループ(FG)の役員人事は、関係者が声を失うほど衝撃的なものだった。なぜなら、あまりにも露骨な「粛清人事」だったからである。

 退任に追い込まれた執行役員のなかには、若くして抜擢された40代の者もいたが、吉村猛前会長の側近という理由で更迭されたようだ。とくに人事部門が長いY執行役員は昨年4月に常務執行役員に昇任したものの、クーデター後にヒラ執行役員に降格となり、今回の異動では退任に追い込まれた。昨年とは桜の花を眺める心境も大きく異なるのではなかろうか。Yの人事部門時代の上司で、山口銀行執行役員を務めていたNも退任となっており、「人事部門出身者への粛清ではないか」との見方が浮上している。

 山口FGから山口銀行、もみじ銀行へそれぞれ異動となる女性執行役員2名は、吉村氏が女性活躍の時代という、昨今のご時世を考えて登用したそうだが、今回の異動で山口FG(持株会社)からは、社外取締役を除くと女性役員が皆無となる。やはり、世の中の潮流とは無縁な“内向きの会社”に戻ってしまったように思われる。

 吉村氏と同世代の役員には、退任や会長という「お飾りポスト」に追いやられた者も多く、熾烈な人事抗争を感じるものとなっている。一方、クーデターの黒幕といわれる福田進取締役監査等委員は続投となっており、監査等委員としては異例の長期在任となる。同世代の役員は退任となり、福田氏に意見をいえる役員は皆無ではなかろうか。また、福田氏の高校の後輩であり、福田氏の側近とされるH執行役員は常務に昇任となっている。昨年、クーデター後に山口FG執行役員に復帰したばかりであることを考えると異例の出世だろう。同じく常務執行役員となるYは、吉村氏の愛人とされる女性を叱ったことから子会社のリース会社へ左遷されたとも言われている。やはり意趣返しの人事ではなかろうか。

 NetIB-Newsで既報(【スクープ】山口FGが4月に組織改正)の通り、合わせて行われる組織改正では持株会社から銀行側に大きく権限を委譲するものとなっている。また、山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行の頭取は持株会社の取締役を兼務することとなり、大きな発言力を得ることになりそうだ。今回の役員人事で人事抗争が終結するとは思えず、NetIB-Newsでは今後も山口FGの動向を注視していきたい。4月1日の部長・支店長以下の人事異動でも大きな波乱が起きることは間違いないだろう。

【特別取材班】

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