九州地銀の2022年3月期決算を検証する (1)
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21年3月期の九州地銀は、ふくおかFG傘下の十八銀行と親和銀行が2020年10月1日付で合併し十八親和銀行(継承行・親和銀行)が発足したため17行となった。
22年3月期の九州地銀は、ふくおかFGがネット専業の「みんなの銀行」を21年5月28日(設立:19年8月15日)から営業開始。ただ、「みんなの銀行」はデジタル銀行で、(1)口座は全国が対象、(2)支店もネット上の支店となっており、地方銀行に入らない新しい形態の銀行で、分離すべきではあるが、地銀として扱うことにする。従って、九州地銀は1行増加し18行となる。
【表1】は九州地銀の決算発表日の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆昨年の九州地銀の21年3月期の決算短信の発表日は5月10日(月)~5月14日(金)の4日間。大分銀行と南日本銀行の2行がトップ発表。◆今年22年3月期の決算単信の発表日は5月11日(水)~13日(金)までの3日間。今年は宮崎銀行と昨年に続き南日本銀行の2行がトップ発表している。
◆6月に開催される株主総会のトップは九州FG。第7期の定時株主総会が6月17日(金)、午前10時から鹿児島銀行本店で開催される。昨年は同社本社(肥後銀行本店・2階大会議室)で開催しており、1年ごとに交代している。
【表2】は九州地銀(18行)のトップ(会長・頭取)の経歴表である。
◆今年のトップ交代はふくおかFG傘下の3行(福岡銀行・みんなの銀行・十八親和銀行)。
・福岡銀行は柴戸隆成頭取が会長に就任。頭取に五島久取締役専務執行役員が昇格。
・みんなの銀行は横田浩二頭取が会長に就任。頭取に永吉健一副頭取が昇格。
・十八親和銀行は森拓二郎頭取が会長に就任。頭取に山川信彦執行役員営業推進部長委嘱が昇格。いずれも4月1日付で就任している。◆北九州銀行(山口FG傘下)の藤田光博代表取締役会長は6月24日に開催される株主総会をもって特別顧問に就任する。
【表3】は九州地銀の金融グループトップ(会長・頭取)の経歴表である。
~この表から見えるもの~
◆ふくおかFGの柴戸隆成社長が会長に就任し、五島久取締役執行役員が昇格。4月1日付で就任している。◆この表で目に付くのは西日本FHである。久保田勇夫代表取締役会長(79歳)は16年間、頭取・会長を歴任(兼西日本シティ銀行取締役)しており、今なお現役である。
<まとめ>
株主総会が集中しているのは6月29日(水)で、ふくおかFGの4行(福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行・みんなの銀行)、西日本FHの2行(西日本シティ銀行・長崎銀行)、佐賀銀行、福岡中央銀行、豊和銀行の9行。九州地銀18行の5割が集中している。経営陣にとっては、来月の「株主総会を無事に乗り越える」ことが最大の関心事ではないだろうか。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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